はるの魂 丸目はるのSF論評


ロボットの時代
THE REST OF ROBOTS

アイザック・アシモフ
1964



 原題通り、「わたしはロボット」(ハヤカワ版では「われはロボット」)の残りの短編を集めた1冊である。スーザン・キャルビン博士(創元版ではスーザン・カルヴィン)が登場する作品も4編あり、まとめて読むととても楽しい。
 このなかに、とても短い「第一条」という短編が掲載されている。キャルビン博士は出てこない、例のドノバンが一人で登場する作品である。もちろん、「第一条」とはロボット三原則の第一条である。アシモフがのちに「第〇条」を生み出すまで、この第一条がロボットの陽電子回路に刻まれた至高の命令であった。
「ロボットは人間に危害を加えてはならない。また、その危険を看過することによって、人間に危害を及ぼしてはならない」である。
 どうやってこれを命令するのかは不明であるが、そんなことを考える時代ではない。後に問題になったのは「人間」の定義であったりもする。
 そういう難しい話ではなく、ドノバンの「与太話」として三原則に問題を投げかけたのが「第一条」である。


(2010.05.02)




TEXT:丸目はる
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