はるの魂 丸目はるのSF論評


アシモフ初期作品集1 カリストの脅威
THE EARRY ASIMOV

アイザック・アシモフ
1971



 本当に、この作家は! 19歳にして作家デビューした多作家で、さらに日記をしたため、若い頃からコアなファンがいると、こうなるのだ。単行本未掲載の初期作品を集めて、時系列にまとめた作品群。趣味の世界であるが、それが翻訳され、出版され、そこそこ売れる。すごい作家である。笑える作品も多いし、赤面しそうな作品もある。何より、アシモフの若い頃と言えば、第二次世界大戦以前のことである。ヒットラーの台頭など、ユダヤ系アメリカ人のアシモフにはたまらないものだったろう。そういう話も満載である。
 その中で、「太陽をめぐるリング」はユーモアたっぷりの作品である。太陽系の郵便配達船が、より高速に届けるため、太陽近接軌道を試すことになった。ふたりのパイロットがそれに挑むが…。1939年に書かれた作品で、若書きではあるが、スラップスティックとしてはなかなかのものである。さすが、アシモフ。


(2010.05.02)




TEXT:丸目はる
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