はるの魂 丸目はるのSF論評


ワイオミング生まれの宇宙飛行士
THE ASTRONAUT FOR WYOMINGU AND OTHER STORIES

アンソロジー




 SFマガジン創刊50周年記念アンソロジーとしてちょっと異色の宇宙開発中短編をまとめた作品群である。アーサー・C・クラーク&スティーブン・バクスターの「電送連続体」、スティーブン・バクスターの「月その六」のほか、7編が収められている。
 宇宙開発ものの古典と言えば、ハインラインの「月を売った男」が思い出される。地球人にとって幸いなことに、夜、空を見上げれば、そこには月がある。手を伸ばせば届きそうでいて、簡単には行けない場所。人類のあこがれであり、自然にも文化にも暮らしにも大きな影響を与える衛星。アメリカのアポロ計画で人が月に行ったとき、宇宙が突然身近になった。
 しかし、残念ながら、アポロ計画後、誰ひとり、月に降りたものはおらず、月より遠くに行った人もいない。
 2010年も終わろうとしているのに。

(2010.11)




TEXT:丸目はる
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