はるの魂 丸目はるのSF論評


イシャーの武器店
THE WEAPON SHOPS OF ISHER

A・E・ヴァン・ヴォークト
1951



 えっと、1966年に翻訳出版され、2010年9月に復刊した24版である。復刊してくれてありがとう! 読んでいなかった作品のひとつだから。「武器製造業者」の前日譚となるのかな。「人類補完機構」の流れで読んでよかった。こちらは、7000年未来。地球は、イシャー王朝が支配し、安定した社会を続けている。しかし、そのイシャー王朝に対立しているのは、3000年前に創立された武器製造者ギルド。イシャー王朝を監視する社会の影の装置である。武器製造業者ギルドは帝国により攻撃を受け、それによって時間のゆがみが生まれ、1951年のミドル・シティーで、ひとりの新聞記者マカリスターが、7000年先の未来に飛ばされてしまった。時間エネルギーを身体にため込み、生きた究極兵器となってしまったマカリスター。イシャー王朝とギルドの間に挟まれて時間をさまようことになる。
 そして、イシャー王朝とギルドの間の様々な策略。ギルドの中の影となる不死者の存在。

「人類補完機構」のような存在が「ギルド」である。おもしろいねえ。

 SFの古典として、一度は読んでおきたい。
 すっとんでいるから。

(2010.11)




TEXT:丸目はる
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