はるの魂 丸目はるのSF論評
セックス・スフィア
THE SEX SPHERE
ルーディ・ラッカー
1983
数学者ルーディ・ラッカー、はちゃめちゃSF作家ルーディ・ラッカーの本領発揮である。「四次元の世界」という数学解説書を書いているだけのことはある。四次元の生きものがいたら、こんな感じ、というのを小説でしっかり読ませてくれる。
それだけじゃない。
タイトル通り「セックス玉」なのである。四次元の生物が、罠にかかって捕まった。なんとか逃げ出したい。四次元の生物である。三次元の生物のことなんかわかっちゃう。セックスだ。セックスを使うのだ。
そこに目を付けられたのが、主人公の若手物理学者アルウィン・ビターくん。奥さんと子どもとのイタリア旅行の最中に、夜、ちょっと外に出たのが運の尽き。事件に巻き込まれ、やがて、テロリスト呼ばわりされるはめに。
そして、世界を巻き込んで…。
えらいこっちゃ、えらいこっちゃ。
四次元の勉強になるし、若い男の子にはたまらないセックス話。
高校生や大学1年生に読ませたい作品だ。
ところで、ラッカーの作品が最近邦訳されない。
読みたいなあ。
(2011年12月24日)
TEXT:丸目はる
monita@inawara.com
(スパム防止のため、全角表記にしています。連絡時は、半角英数にてお願いします)
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