はるの魂 丸目はるのSF論評
プランク・ダイヴ
THE PLANK DIVE
グレッグ・イーガン
2011
イーガンの短編集である。宇宙とは何か、意識とは何か、知性とは何か、ヴァーチャルとリアルの境目は? 科学の、そして人類の知の集積の周辺で語られていること。それを物語にのせていく。クラークが言ったように、「よく発達した科学技術は、魔法と見分けがつかない」から、物語のパターンによく当てはまる。
2011年のうちに読んでいたのに、メモを取るのを忘れていた。
意識して書かなかったのか。
とてもおもしろい作品群なのに。
あと数日で、2012年3月11日になる。1年。地球が太陽の回りをまわる周期。
1年前、地球の片隅で、地殻の一部が震えた。
1年前、そこに生きる生物が40年前に設置したアトムのおもちゃが制御できずに爆発した。
高エネルギーの光を捉えることができたならば、アトムのおもちゃから光が沸き立ち、広がり、広がり、消えない姿を見ることができるであろう。
TEXT:丸目はる
monita@inawara.com
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