07月11日土曜日 1998年7月バリ日記 (はる食日記)
6月20日から7月11日まで、
インドネシアに旅行してきました。
主にバリ島に滞在し、一度、隣のロンボッ島も訪れています。
そこで、このバリ島旅行の前半と後半に分けて掲載します。
この頃の通貨レートは、市中で1円=約100Rp(ルピー)でした。半年前に旅行した頃より、レートは3分の1、 すなわち日本円はインドネシアルピーに対して3倍の価値を持つようになっています。一方で、 インドネシアの物価は平均すると約2倍というところです。外国人や金持ちを相手にしているところでは、ドルと連動して、 物価上昇以上の値上げですし、市中の市場や食堂などでは、値上がりしたり、していなかったり、まちまちです。 |
7月1日(水)
晴れ ウブッ
昨年の10月末、ウブッに初滞在したとき、このあたりの水田はみな収穫間際だった。それから8カ月、おそらくは2回の田植えと、稲刈りを過ぎて、
ちょうど今、3回目の田植えをする季節になったらしい。6月終わりから7月中にかけて植えられた苗は、
9月終わりから10月中に収穫のときを迎えるのだろう。年に3度、田起こしにはじまり、代かき、田植え、草取り、稲刈り、脱穀、
藁取りを繰り返すのは、それはそれで忙しかろう。それをすべて人力や、せいぜい牛の力を借りる程度であるから、熱帯の稲作は大変である。また、
ときには大豆や落花生やとうもろこしなどをつくることもあるという。水の管理を考えた上で輪作も行なうわけである。
広い面積を栽培している農家には、牛の代わりに耕運機を持っている人もいた。また、家鴨を飼っている人も多く、
田植え前の水田でせっせと除草をしている姿もあった。
夕暮れになると、田の草取りの人に混ざって、おそらくは蛙であろう、夕食のおかずを獲る人の姿もある。
空の汚れていない南洋の夕暮れは美しく、今は月が日に日に太っていく。青い空は日暮れとともに空全体が赤く染まり、
遠くの椰子の木やバナナを影絵のように浮かび上がらせて、漆黒の闇へと落ちていく。満天の星。細い月。
市場にて、山羊のスープを食べる。じっくり時間をかけて煮込まれ、ニンニクの香りとタマネギの甘さが山羊のうまみを完全に引き出している。
香辛料の少ない、薄味のスープは、スジや脂身もとろとろで、実にうまい。これは、うまい。
食:8時、トマトまぜオムレツはさみトースト、フルーツ(スイカ、パパイヤ、パイナップル)、紅茶
食:10時、ナシソトカンビン(山羊のスープとご飯)、紅茶。ふたりで6000Rp。
食:11時、ラージビール、バナナハニージュース18000Rp。
食:12時、ナシゴレン(私)、ガドガド(薄焼き卵とキャベツ、白菜、もやし、人参炒め、ピーナッツソース)、ライス(水底)、
パイナップルジュースふたり分、8000Rp。
7月2日(木)
晴れ ウブッ
今日はお葬式。誰のお葬式かは、分からない。数日前に旅行代理店が「大きなお葬式があるよ」と張り出したので、そのツアーに参加した。そう、
バリではお葬式も公開するのだ。バリの葬式は、基本的に火葬であり、大きな御輿を鳴り物入りでかつぎ、海まで運んで、火をともす。ところが、
この葬式にはものすごいお金が必要であり、普通の人はなかなか葬式を出すことができない。そこで、人が死ぬとまずは土葬しておき、
お金持ちの葬式があると、それに便乗して火葬することになる。ということで、ひとりの大きな葬式は、集団葬式となり、
まったく祭日のようになってしまう。数千を越す人が集まり、物売りや屋台、食べ物屋が出て、観光バスが押し寄せ、
さらにそれ目当ての物売りも集まるというすごい状態である。この日は、いくつもの道路が封鎖され、御輿が練り歩き、灼熱の砂浜に人々が集まる。
午前中にはじまった儀式は、夕方に火葬されるとかで、人々も暑さにうんざりしながらも、よい葬式を上げようとたたずんでいた。
大きな火葬は4時だとかで、1時半にはそこを出て帰ることとなった。
泊まっているデワンガバンガローに併設されているレストランに行ったところ朝食メニューの中にRed Rice Teaなるものがあった。
バリ島では今も赤米や黒米を栽培しており、この赤米の色を生かした玄米茶を供しているのである。
夕食は、クブクカフェでベジタリアンフードとする。エビ抜きのクルプックは、玄米入り煎餅になっていて、味もまったく煎餅と変わらない。ご飯も、
分つき米で噛みごたえがあった。水底は、ナンカ(ジャックフルーツ)に挑戦。煮るとマグロのほほ肉のような食感になる。
種があるのがかえって不思議なくらいだ。
食:8時、バナナカスタードパンケーキ、フルーツ、紅茶
食:9時、赤米茶(私)、アイス(水底)4500Rp。
食:12時半、ミーバッソ(肉団子入り、スープ麺)2杯で10000Rp! おーい、高いぞ。
椰子の実ジュース500Rp。
食:14時、鶏の唐揚げ、フライドポテト、サラダ(人参、キャベツ、トマト、ご飯、ビール小(私)、焼きそば、アイスティー(水底)、
23500Rp。
食:18時、ベジタリアンカレー(ジャガイモ、人参、ナス、ブロッコリー)、長豆ともやしの煮物、タフとテンペの煮物、玄米クルプック、
分つきご飯、トマトとキュウリ、コピ(私)、ナンカ(ジャックフルーツ)の煮物とパイナップルジュースの他は同じ(水底)23000Rp。
7月3日(金)
晴れ ウブッ
宿替えをする。DEWANGGAから、以前のJATIへ。理由は、朝食と部屋の清潔さ、価格においてJATIの方に分があったからだ。しかも、
前回の部屋ではなく、より明るい二階の部屋にしたので、暗さの心配がなくなった。
実は、この旅行に出かける前、髪を切ろうかと思っていたのだが、時間がなくそのまま出発してしまった。
別に切らなければならないほど長くはなかったのだが、私の髪の量が多いため、少し梳いておきたかったのだ。こちらにくるなり、
少々風邪気味になり、髪を切ることができなくなった。夜は寒いので、切るととたんに風邪がひどくなりそうだったのだ。しかし、昼間はとても暑く、
体温調整が難しくなる。
風邪気味も治ったことだし、念願の散髪に行くこととした。床屋は、マッサージなども兼ねるエステサロンで、髪も切ってくれる。頼むと、
まず髪を洗ってくれ、それからおもむろにはさみを取り出し、鶏の羽根をむしるような勢いで刈りはじめた。髪梳き用のはさみを入れ、
えりをかみそりでじょりじょりやるのも含めて、正味15分。最後にもう一度洗い、ドライヤーを軽くかけて、終わったのでも正味20分であった。
価格は15000Rp。早い、安い、力強いおば様の迫力に、髪を切られるだけで疲れてしまったが、楽にはなった。
夕食後、ティルタサリのレゴンダンスを見に行く。日本人観光客を中心に、観光客、それに地元の人、子どもたちを入れると、
300人以上が集まっていたのではなかろうか。大変な人気である。たしかに、演出、照明のいずれも、他ではないような洗練があり、
様式美があった。よくも悪くもショー的なのである。まあ、見せ物なのだから、それでいいんだけどね。
食:8時、焼きそばオムレツ。フルーツ
食:ナシチャン(揚げ小豆、テンペゴレン、アヤムゴレン、サテ、鶏の唐揚げ入り酢豚風、もやしと長豆のカレー煮、クルプック、トマトとキュウリ)
、パパイヤジュース(私)、ナス入りトマトスパ、パイナップルジュース、ココナツクリームパイ(水底)36000Rp
食:小松菜と鶏肉が入ったスープ麺(ふたり)、オレンジジュース(私)、パパイヤジュース(水底)15000Rp。
7月4日(土)
晴れのち雨のち曇り ウブッ
1日ツアーに参加。ギャニャールのイカット(かすり織り)工房、クルンクルの王宮跡、ブサキ寺院、バリ・アガ村、クサンバの塩田などを回る。
我々の目的は塩田のみである。小さな漁村は、この地域最大の塩田地域であり、塩づくり用のひなびた小屋が砂浜にいくつも立っている。塩づくりは、
まず、砂を浜よりも高く積み上げ、10メートル四方ぐらいの台地を完成させる。そこに海の水をなんども汲み入れ、強い日光にあてる。
この作業を繰り返し、濃い塩水まじりの砂を今度は小屋の中にある木枠で作った風呂桶のようなものに入れる。すると、
この風呂桶の側面下部にある水抜き口からちょろちょろと濃い塩水がろ過されながら出てくる。これを樋を通して、
椰子の木をくりぬいて作った長さ1.5メートル、幅60センチぐらいの桶に貯めていく。そして、この桶の塩水を、
砂浜にしつらえた溝のある台に流し込み、乾燥させて塩の結晶をとるのである。この台は、長さ1メートル、幅50センチ程度で、
50センチほどの足がつけられ、高床になっている。雨がふったら、竹と藁でできた屋根を置いて流れ去るのを防いでいる。
できた結晶は、水分を含みやすく、また、にがりも残ったままの純度の低いものである。それゆえに、あの精製塩にある強烈な刺激はなく、
まろやかでまったりとした味わいになっている。未精製塩はにがりを多く含んでおり、必ずしも多量に摂取することがよいとは言えない。しかし、
少量を適宜料理に使う上においては、実に奥行きのある味を出してくれる。
さて、バリヒンズーの総本山ブサキ寺院では、途中から一転雲がわき、遠くで雷が鳴り出し、しばらくすると暴風とともに激しい雨が降りはじめた。
暴風雨はしばらくやまず、高地であってただでさえ涼しいところに気温は下がる。雨に打たれた人々は身体を震わせていた。
私のような不信心な者が来たことで、バリヒンズーの神のつむじを曲げたのだろうか。
1963年、当時のスカルノ大統領が、観光のため、高僧の意見を聞かずにブサキ寺院の大祭を開かせた時には、そのさなかに、
ブサキ寺院のある霊峰アグン山が噴火を起こし、多くの人が犠牲になったという。信仰心の豊かなところでは、
人と世界がいまだに共感と交流を持っているのだろう、あながち関係ないとは言えまい。
途中の道で、タマリンドの木を見る。実がたわわになっていたので、むしって鞘をあけ中のねっとりした実を食べてみた。
スモモジャムの砂糖を抜いて、梅干しほどの酸味を加えたような味だった。水底によると、
これを鞘ごと発酵させていわゆるタマリンドペーストをつくるという。カレーなどの煮込み料理には欠かせまい。
食:8時、半熟目玉焼きのジャッフル、フルーツ(スイカ、バナナ、パイナップル)
食:13時半、ビュッフェ形式の観光レストランにて、ご飯、野菜スープ、白菜などのチャプチェ、ジャガイモ、人参などのカレー、サテ、豚のサテ、
春巻、長豆煮、タフゴレン煮、ミーゴレン、ナシゴレン、クルプック、果物、紅茶など、ひとり税込み30000Rp、つまり60000Rp。
食:20時、ご飯、ジャックフルーツ入り野菜辛いスープ、バリライスワイン、パイナップルラッシー(私)、ジャックフルーツと長豆、人参、
タフなどのあえ物、パイナップルラッシー(水底)、19500Rp。
7月5日(日)晴れ時々曇り、にわか雨、
ウブッ
ここが熱帯だと感じるのは、木のてっぺんに赤や白の花が咲き乱れるところと、花の蜜や、
年中いたるところでなっている木の実を糧にして無数の鳥や虫が飛び回り、鳴き交わしているところである。夜明けから、深夜まで、
声の主は変われども、鳴き声がやむことはない。
水と太陽と大地と風、この過剰なほどの豊穣は、ひとえにひとえに自然のめぐみである。
同じような豊穣を、フィリピンのネグロス島で見ることができた。この豊穣の下で、食べるものがありながら、
飢えて死ぬという状態があることはまったく信じられない。このバリ島ではどうなのだろうか。すくなくとも、米を換金作物として、
また税としてとる歴史があったことは間違いないが、自給的性格や、社会的相互扶助という中では、
村八分などの社会的制裁によるものやまったくの天災でなければ、飢え死ぬという状況はなかったのではなかろうか。文化的な豊かさと、
自然の豊穣と、田に働く人の姿を見ていると、そのような気がしてならない。
食:8時、フレンチトースト、フルーツ(パパイヤ、バナナ、パイナップル)
食:12時、ナシチャンプル(豚皮揚げ、鶏唐揚げ、テンペゴレン、サテ、ソーセージ、ミーゴレン、ゆで玉子、長豆ココナッツ和え、
キャベツと人参、ご飯)、アイスティー、以上ふたり前、クルプック1枚。11500Rp
食:13時、マルキッサ(パッションフルーツ)ジュース(私)、スイカジュース(水底)6900Rp。
食:16時、ソトアヤム、豆腐の中華風炒め、ご飯、ビール小2本(私)、スパゲッティしいたけ入りカルボナーラ、ラッシー(水底)
69000Rp。
食:20時、ミーゴレン、パイナップルジュース(私)、グライアヤム(チキンカレー)、ご飯、アイスティー(水底)11000Rp。
7月6日(月) 曇りのち晴れ ウブッ、
クタ
ムハンマド降誕祭にて、インドネシアの祝日。
今日はクタまで買い物に出かける。久しぶりのクタはやはり喧騒に包まれていた。心なしか日本人観光客の姿が目立つ。ああ、
夏休みシーズンに入っているのだ。ずっと、新聞もテレビもない生活を送っているので、今、日本で何がどうなっているのかは分からない。
そういえば、どこかのテレビでクリントンが中国を訪問していたような気がするのだが、どうなのだろう。
炎天下、買い物を済ませ、帰りのバスまで時間があったので、レストランに入る。たまには、ということで、サンドイッチのたぐいを食べた。
このレストランに入った直後、2時半頃、突然スコールがはじまる。雷を伴ったどしゃ降りにあっという間に人の姿はなくなり、
車だけが水しぶきを上げながら走っていた。と、そのとき、雨の中を走る人の姿が。にこにこしながら傘と雨がっぱを持っている。売り子である。
とても嬉しかったようだ。おめでとう、雨が降り続くといいね。
夕方、王宮にレゴンを見に行く。ウブッは4時頃から雨だったらしく、いつもの王宮内の露天ではなく、
その横の簡易ステージで行なわれることになった。いつもは、演舞の周囲を適当にとりかこんで椅子が置かれ、座るのだが、今日は、
全員が正面を向くスタイルでちょっと雰囲気も違う。また、屋根があるせいと、ステージが1段高いせいか、音の通りがまったく異なり、
ガムランの高音と、太鼓、銅鑼の低音が響き、人の声などの中音がまったく響かない。これはこれで独特の雰囲気ではあるが、
音を楽しむならば露天の空に抜けていく音を聞くに限る。
食:8時、緑色のバナナパンケーキ、茶
食:12時、ナシチャンプル(ご飯、じゃが人参カレー、長豆の煮物、サンバル、甘いナッツとテンペゴレン、つけ揚げ、ゆで卵)、
パパイヤジュース(私)、ナシソトアヤム(鶏、トマト、春雨、ココナッツミルク、レモングラスなど)、スイカジュース(水底)12500Rp。
食:15時、クラブハウスサンド、スイカジュース、コーヒー(私)、ハンバーガー、パイナップルジュース、コーヒー(水底)34000Rp。
食:21時、ナシチャンプル(アヤムゴレン、クルプック、豚肉サテ、小豆煎り、長豆とココナッツなどの和え、ナンカ=ジャックフルーツの煮物、
ゆで卵)、ブルム、ビール(アンカー小)、(私)、アヤムジュル(ご飯、小豆煎り、長豆とココナツ和え、鶏肉とココナッツの和え)、
レモンジュース(水底)、ポテトサラダ(ジャガイモ、ゆで卵、きゅうり、マヨネーズ、コショウ)22000Rp。
7月7日(火) 晴れ、
ウブッ
朝からおじさんが畔の草刈りをしている。ていねいに刈って、ちょっと草を選んでから袋に詰めていく。鶏や豚の餌にするのだろうか。
昨日から買い物モードに入っている。お土産などを一斉に購入。あっという間に金が飛んでいく。
昼食は、かねてより狙っていたムスリムパダン屋。昼頃でかけて食べたが、やはりうまい。カレーソースのかかり具合が絶妙である。
夕食は、サテ&ソトカンビン(山羊)の専門店へ。入ると、黙っていても、山羊のサテと山羊のモツスープが、盛りのよいご飯と一緒に出てくる。
サテは、甘辛く、どこまでも柔らかい。スープは、ハチノスやレバ、ガラなどが入っていて、どれもとろとろに煮え、ニンニクやタマネギ、
唐辛子やココナッツミルク、あるいは、わずかなターメリックなどと混ざりあい、最後にたらしたケチャップマニスとレモンの甘み、酸味と、
トラシのコクと調和してすばらしい汁となっている。これらをごはんの上に渾然一体とかけ、混ぜ、汗をかきながらいただくのである。うまい。
至福の時である。
食:8時、トマト、チーズ、半熟目玉焼きのトーストサンド、フルーツ、紅茶。
食:12時、アヤムゴレン、テンペゴレン、茶っぱ煮、インゲンキャベツ煮、チャベ(唐辛子煮)、ご飯、アイスティ(私)、アヤムがオタック
(羊の脳みそ)煮になったものを水底、8400Rp。
食:17時半、サテカンビン、ソトカンビン、ご飯の定食(二人分)、8000Rp。
食:夜食に、ボンタン、ニンニク豆、茶など。
7月8日(水) 曇り晴れ時々雨、
ウブッ
このところ雨が多い。洗濯物がパリッと乾かないので、臭くなってしまうのが辛い。
満月(前夜)ということで、アルマ(美術館)前のオープンステージで特別公演のレゴンを見る。見せ物用のレゴンと言っても、
1時間のうち約40分がトランスダンスであり、ランダに扮した男を、踊りを踊っていた少女ひとりと、数人の男性が鉄製のクリス(短剣)
で刺していく。何度も、何度も刺し、時には、刺す側の男性や、支えになったり、危険を避けるために舞台にいる何人かの男性も刺されたりする。
ランダ役を刺している女性をさらに刺したり、とか、激しい限りである。この刺されるランダと刺す女性ひとりをふくむ数人、
それに舞台周辺のひとりふたりがトランス状態になっている。
いくら刺される側が腹に何かを巻いていても、鉄の短剣が折れ曲がるまで刺され続けては、普通の状態では危険である。女性などは体重が軽いため、
腹と背の両方から刺されると浮き上がってしまうくらいである。
最後に折れ曲がった10本近い短剣を、おやじが持ってきて、「どうだい、こんなに硬い物を使っていたんだ」と触らせてくれたが、
確かに厚い鉄板の短剣だ。
このトランス刺し続け、いくらでも突いてみやがれ、突いてやるが始まってから終わるまでの間、観客は呆然、写真のフラッシュは光らず、ただただ、
「おいおい、痛いよ。すごいのはわかったから、一体いつまで続くんだい」状態で舞台に目が釘付けになるのであった。そして、もちろん、この間、
ずっとガムランは高く低く鳴り続けるのだった。ふうう。
このアルマ特別公演では、水とお茶菓子(ふたつ、日本の和菓子に似た体裁だが味は違う)がついてきた。
市場で、赤米、黒米、白米を買う。赤米はあまり売っていない。ようやく見つけた店の婆さんは、「赤米でナシゴレンを作るとグッド」と言っていた。
その横で、にいちゃんが儀礼には欠かせないんだとも言った。
食:8時、バナナパイナップル入りパンケーキ、フルーツ、紅茶。
食:10時半、緑色の米団子、中にやし砂糖シロップ、外はココナッツフレークがついているお菓子、市場で買い食い(水底)1000Rp。
食:11時、ミックスジュース(ふたり)11000Rp。(カフェにて)
食:12時、バビグリン定食、アイスティー(ふたり)12000Rp。
食:17時半、アルマカフェにて、ナシゴレン(クルプック、サテ、アヤムゴレン付き)、パイナップルジュース(私)、カルボナーラ、
みかんジュース(水底)49500Rp。
食:20時半、ガドガド(テンペゴレン、タフゴレン、ゆで卵、キャベツ、人参、長豆のピーナッツソース、クルプック、キュウリ、トマト、ご飯)、
ビール小(私)、テンペカレー(テンペ、長豆、人参、ジャガイモ)、ご飯、アイスティー(水底)、16400Rp。
7月9日(木) 晴れ、
ウブッ
満月。ウブッ中心部からわずかに離れた水田が広がる平地に、満月の光が闇をついて降り注ぎ、闇の中の姿を浮かび上がらせる。いたるところで、
満月の儀式が執り行われる。チャロナランダンスを見たのだが、小さな村で、登場人物だけでも100人を超えるのに、観客はわずかに8人。
素朴な民衆芸能が、8人の前で繰り広げられ、そして、その芸能の最後は、そのまま村の満月の儀式に移っていった。そこに境目はなく、
不思議な気持ちのままその場を立ち去ることになった。
食:8時、フレンチトースト、フルーツ、紅茶。
食:10時半、ビール(大)(私)、ミックスジュース(水底)、19500Rp。
食:12時、ナシチャン屋のブンクス(お弁当)、紅茶、クルプック、お菓子、6500Rp。
食:17時半、パダン屋にて。コロッケ、テンペゴレン、アヤムゴレン、茶っぱ、唐辛子、カレー汁、ご飯。紅茶(私)、ナス煮、アヤムゴレン、
テンペゴレン、タフゴレン、茶っぱ、唐辛子、カレー汁、ご飯、紅茶(水底)、11500Rp。
食:21時、パパイヤラッシー(私)、ミックスジュース(水底)、6000Rp。
7月10日(金) 曇り、
ウブッ
6時過ぎに目が覚める。窓の外からは、今まさに沈もうとする満月が見えた。東から昇ろうとする太陽に負けじと、ひときわ明るさを増し、
消えかかった闇の中に、闇の女王が退出するといった風情。竹の銅鑼が鳴り、鳥達が騒ぎ立てた瞬間でもある。
昼過ぎ、とても暑い。陰はひんやりとしている。風が心地好い。近くで鳥が鳴きわめいている。ロスメンの屋根では、
藁葺きの補修をするため職人達が数人上がって、会話を交わしながら働いている。暑いだろう。田んぼの向こうにある川沿いの森では、
少年が木を揺らしていた。何かがいるようだ。時折、大きなとかげや、リスや鳥が動く。大ネズミもいる。田んぼには藻が繁殖し、蛙が陣を引く。
鶏はどこにでもおり、時を選ばずに鳴く。そして、無数の鳥の鳴き声。対岸のホテルにはプールがあって、外国人ツーリストが騒いだりもするが、
今は静かで、ボーイの白い服がゆらゆらと歩いている。小川には、昨日の満月儀礼用お供えがいくつも流れ、平行する用水路は、
水をたたえて流れている。蝉が鳴きはじめた。
食:8時、ジャッフル(半熟卵入り)、フルーツ(スイカ、パパイヤ、バナナ)、紅茶。
食:10時半、市場にて。ナンカスープ、豚や鶏、豚皮揚げ、ソーセージなどのナシチャン市場定食、紅茶、7500Rp。
食:12時、ウブドラヤにて、小倉アイス(ふたり)、アイスティー(水底)、パイナップルジュース(私)、23000Rp。
食:16時、ミーアヤム(水底)、ヌードルスープ(私)、アイスティー(ふたり)、16500Rp。
食:17時、アイスティー(水底)、レモンジュース(私)9500Rp。
食:21時、パダン屋ブンクス、アヤムゴレン、ナス煮、コロッケ、茶っぱ、チャベ、ご飯(私)、ゆで卵煮、タフ煮、コロッケ、茶っぱ、チャベ、
ご飯(水底)、8000Rp。クルプック別沿え、500Rp。
7月11日(土)
ウブッ 曇り晴れ
最終日となった。明け方突然雨が降る。
食:8時、トーストサンド(チーズ、卵、トマト入り)、フルーツ、紅茶。
食:10時半、市場のお菓子(米団子黒砂糖入り)10個1000Rp、蒸しパン1個500Rp、バッソ2杯蒸し米入り5000Rp。
食:12時、ブンクスでパダン。鶏煮、テンペ、茶っぱ、チャベ、ご飯、ソース(私)、タフ煮、テンペ、茶っぱ、卵煮、ご飯、ソース、
6500Rp。
食:17時、ナシチャン、アイスティー10000Rp。
食:20時、ハンバーガー1個、オレンジジュース2杯、12500Rp。空港にて。
食:機内、23時、軽食。
デンパサールの市場にて。
ウブッの市場にて。唐辛子
ナシチャンのブンクス行列、儀式らしい
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07月11日土曜日 バリ食用語解説 (はる雑記)
食用語解説
ナシチャンプルー…ナシ(ご飯)チャンプルー(ごちゃまぜ)。
チャンプルーはチャンポンと同じ語源の言葉。白いご飯を真ん中に盛った皿に、野菜や肉などのオカズを数種取り巻くように乗っけたもの。
また、ご飯に煮込み汁のようなものをかけることもある。インドネシアの常食、日本で言えば、「本日のランチ」という感じ。
外国人向けの店では、おかずの1品1品が独立した味という風で、インドネシア人が食べているのは、全部を混ぜたり、
食べ終わると渾然一体となっておいしいという風。味に調和がある。現在、バリ島に在住する京都の老婦人いわく、ナシチャンプルーは
「おばんざい」とか。なるほど。
サテ…串に刺した肉を炭火で焼いたもの。これを落花生ベースの甘辛いソースにつけて食べる。
大体5本から10本売りが基本で、日本のものより小振り。一口サイズ。サテアヤム=鶏肉、サテカンビン=山羊肉など。
ソト…スープ。ソトアヤムなら鶏スープ。ソトカンビンなら山羊スープ。
バビグリン…子豚の丸焼き ガドガド…ゆで野菜に落花生ベースの甘辛ソースをかけたもの。
ナシゴレン…ナシ(ご飯)ゴレン(炒め)。チャーハンである。
ミーゴレン…ミー(麺)ゴレン(炒め)。焼きそば。
アヤム…鶏。鶏肉。道端を支配するのは鶏一家である。すべての路地では、
かならず雄鶏が番を張り、雌鶏が小さなヒナを連れてエサを探している。どうやら飼われているらしい。イスラム教徒、
バリヒンズー教徒のいずれからも愛されている肉。鶏は、卵も産むし、肉もうまい、また雄鶏は闘鶏にも使われ、
男たちは立派な雄鶏を手塩をかけて育てることに夢中。
カンビン…山羊。羊ではない。
コドッ…カエル。中華料理の影響か、カエルも結構メジャー。モモ肉を揚げたりする。
バビ…豚、特に子豚。バビグリンで子豚の丸焼き
クルプック…揚げせんべい。日本でも、コメ粉を使った、
ふわっとした口の中で溶ける揚げせんべいがあるが、クルプックはまさにそれ。主にエビ粉入りが食べられ、他にも魚粉入り、野菜粉入り、
玄米など様々。これをご飯時にご飯の食前、食中、食後の口休め、食感を変えるような感じで食べる。サクッ、サクサク、って感じ。
テンペ…大豆の無塩発酵食品。日本で類似するものは、納豆です。納豆と違い、発酵菌は白カビの一種。
生だとねばらない納豆っぽいが、主に揚げて利用される。風味は納豆に近い。
タフ…豆腐。水切りしたような豆腐を市場などで売っている。これを揚げて厚揚げのようにして食べる。
これをタフゴレンという。様々な料理に使われる。時々、すっぱいのがあるが、これはタフが少々古かったのだろう。気にしない。
ナンカ…ジャックフルーツ。果物なのだが、料理にもよく使う。
煮るとマグロのホホ肉のような食感と見た目がある。最初食べたとき、何か分からず、白身魚だとばかり思っていた。
長豆…インゲンが長くなったもの。味はインゲンそのまま。この豆がうまい。よく料理に使われる。茶っぱ…
本当はなんて言うのだろうか。パダン屋の料理にかかせないサユル(野菜)。茶の葉に煮ているが、もっと大きく、しっかりした食べ応え。味は、
新茶の葉に近い感じ。
トラシ…エビ発酵調味料。東南アジア全般にある味の基本。味にコクを与える。
サンバル…唐辛子入りトマトソースという感じ。味付けの基本。
| カテゴリ:はる雑記 | バリ食用語解説 | 1998年7月11日
07月18日土曜日 1998年7月2週 (はる食日記)
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唐辛子の醤油煮。なんでも、東南アジア料理になる? |
1998年7月12日(日) 曇り
インドネシア・バリ島より帰国。東京は涼しい、いや、寒いくらいだ。聞くと、昨日までは暑かったらしい。3週間ぶりに自宅に戻り、とりあえず、
ご飯を炊く。旅行中、一度も日本食が食べたいと思わなかったのは、バリ島のご飯がコメを中心にしたおかずで構成されていて、味もよく、
あきなかったからだ。しかも、野菜や果物をたっぷりとったので、国内で外食するのと異なり、体調がすこぶるよかった。
一段落して、国民としての権利を行使しに参議院議員選挙へ。このために帰ってきたようなものだ。
食:6時、機内食。
食:13時、ご飯、豆腐とわかめの味噌汁、納豆、梅干し、クルプック(エビ入り揚げせんべい)、キャベツとソーセージの炒め物、
インスタント韓国和え麺。
食:20時、ご飯、豆腐とわかめの味噌汁、梅干し、クルプック、インドネシア風厚揚げのカレー、
ゴーヤとキャベツとモヤシの炒め物を昼のインスタント麺に和えたもの、キャベツのココナッツフレーク和え、キャベツとソーセージの炒め、
青唐辛子の醤油煮。
厚揚げのカレー…
ココナッツミルクの甘みとタマリンドの酸味、それにトラシ(エビ味噌)のコクが中心のシンプルなカレー。ニンニク、タマネギ、ショウガ、
レモングラス、クミン、バイマクルート(コブミカンの葉)、唐辛子、塩、こしょう、パームシュガーが材料。
厚揚げカレーを作ろう!
厚揚げカレー
7月13日(月) 曇り
今日も寒い。明け方、ワールドカップの決勝を見る。夜明け頃ふたたび眠りについたが、東京の朝は、せいぜいカラスが鳴くぐらいで音がしない。
一昨日まで、鶏をはじめ、様々な鳥や、生き物の鳴き声が時間とともに移りながらも1日中聞こえてくる生活をしてきたので、とても違和感がある。
静かな、生命の気配がない朝。いやだなあ。
軽いSFを読んだり、パソコン通信のログを読んだり、散歩をして過ごす。
食:11時、タイのジャスミンライス、厚揚げのカレー、昨日の麺の野菜和え、キャベツ炒めの残り、クルプック、青唐辛子の醤油煮。
食:20時、ナシゴレン(インドネシア風チャーハン)、中華風野菜のあんかけ煮、クルプック、青唐辛子の醤油煮、豆腐と大根菜の味噌汁。
ナシゴレン…キャベツ、タマネギ、ニンニク、
豚バラ肉、豆もやしを炒め、ご飯を炒め、インドネシアの調味料で味付けしたもの。目玉焼きを添え、青唐辛子の醤油煮、
クルプックなどとともに食す。
中華風野菜のあんかけ煮…ゴーヤ、タマネギ、ナス、人参、インゲン、キュウリを炒め、
鶏ニンニクスープで煮込み、オイスターソースなどで味付けしてからあんかけにしたもの。
7月14日(火) 曇り
日本に戻ってから、太陽も、月も見ていない。薄曇りのままに夜が明け、日が暮れ、夜になる。しかも肌寒い。
昼、近所の台湾料理店へ。15日で店をたたむというので行った。一品一品がとてもやさしい味で、台湾の家庭料理という感じが好きだったのだが。
さすがに混んでいて、急がしそうだった。店を切り盛りしてきた女性は台湾に戻るのだろうか、それとも。
深夜、アイザック・アシモフのSFを読んで過ごす。寝たのは明け方であった。すぐに夜更かしの生活に戻るのはなぜだろう。
食:13時、定食(豚角煮と青菜、豆腐サラダ、コーンスープ、ご飯)、餃子(エビとおまけで精進)、皮蛋豆腐。
食:20時、ご飯、韓国風味噌汁、野菜のあんかけ煮、青唐辛子煮、大根菜と油揚げの炒め煮、豆モヤシナムル。
韓国風味噌汁…昨日の味噌汁に、
鶏ニンニクスープを加え、豆もやしを入れ、コチュジャンで味をまとめたもの。
豆モヤシナムル…豆モヤシを茹で、塩、ごま油、おろしニンニクで味をまとめたもの。
7月15日(水) 曇り
天気予報のうそつき! 今日も太陽が見られなかった。
食:11時、田舎親子丼風ナシソトアヤム、モヤシナムル、青唐辛子煮。
食:16時半、スパゲッティナストマト(ナス、トマト、鶏スープ、椎茸、インゲン、豚肉)、ご飯。
食:22時、ソトアヤム。
田舎親子丼風…ほうれん草と椎茸を鶏スープで煮、さらに溶き卵を加え、醤油、
みりんなどで味付けした汁をご飯にかけたものが、田舎親子丼。それを少々インドネシアのナシソトアヤム(ごはん、鶏スープ)風にしたもの。
ややこしい? おいしければよし。
ソトアヤム…
鶏ニンニクスープにスパイスを入れ、春雨、ゆで卵、キャベツの千切り、鶏肉を器に入れたものにスープを注ぐ。
ナススパゲッティ
ソトアヤム
7月16日(木) 雨
寒いよお。まだ日本の太陽が見えない。
食:8時半、ナシソトアヤム本格派。(私)
食:10時、ナシソトアヤム(水底)
食:12時、サバ焼き定食(味噌汁、冷や奴、おしんこ付き)800円(私)
食:19時、チーズ入りパン150円(水底)
食:21時、ご飯、豚バラ肉入りカレースープ、ナスと油揚げと椎茸の炒め煮、ポテトサラダ、キュウリのナムル、インゲンと人参白ゆで。
7月17日(金) 雨のち曇り
夕飯は気合いを入れて料理する。1時間勝負。ほぼ予定通りだったが、予定外は、中華スープ。
鶏のミンチにショウガ、ニンニク、クミン、タマネギ、小麦粉などを混ぜた具が余ってしまったために急きょ作ることにした。
干し椎茸と醤油ベースに、ごま油を加えて、あっさり味のスープとなった。
食:12時、ビーフンスープ。
食:21時、ご飯、豆モヤシのナムル、キュウリのナムル、ナスと油揚げとゴマの炒め煮、キュウリと人参入りポテトサラダ、唐辛子煮、塩鮭、
キャベツの塩炒め、鶏ミンチのパブリカ&青紫蘇包み、鶏ボールとレタスの中華スープ。
ビーフンスープ…
昨日の豚バラ肉入りスープにゆで卵が仕込んであり、それにインゲン、人参を加え、ビーフンを茹でたもの。
7月18日(土) 晴
わーい、晴れた。洗濯だ。今日は、名古屋から友人が来て、
一緒に農業フォーラムを聞きに行くのでお弁当をつくる。留守番・水底の分も合わせて3つだ。朝から気合いを入れる。と言っても、
昨日のオカズをベースにするのだが。
食:12時、お弁当、ご飯、梅干し、唐辛子煮、海苔、鰹節醤油、ほうれん草のおひたし、カボチャのニンニク焼き、ナスと油揚げの炒め煮、
ポテトサラダ、鶏ミンチのパブリカ&紫蘇包み。
食:21時、ご飯、ポテトサラダ、油揚げ焼き、鶏ボール入りレタススープ溶き卵と韓国春雨入り。
鰹節…我が家では、鰹節削り器が大活躍。朝、
カシュカシュっと必要なだけ鰹節を削って醤油をちょいとたらすと、ものすごく良い香りがする。食欲増進にこれが一番。
油揚げ焼き…油揚げをグリルでこんがり焼いて、
醤油をつけて食べる。うまい!
| カテゴリ:はる食日記 | 1998年7月2週 | 1998年7月18日
07月25日土曜日 1998年7月3週 (はる食日記)
1998年7月19日(日) 曇り後晴
友人のイラストレーターに会いに行く。アレルギー対策のために、好きなお菓子もアルコールもやめ、玄米や野菜中心の食生活をしている。
お昼を食べさせてもらったが、玄米をベースに、味噌汁やイカとトマトの煮込み、キンピラ大根など、
和食と南欧料理がうまくおかずとしてそろっていた。こういう食事は、我が家とも共通するので安心して食べられる。
夕方からは、別の友人たちと飲み会。韓国料理の店でたらふく食べて飲んだあと、ふつうの居酒屋に行って飲む。6時頃から11時頃まで延々と、
食べ、飲む。飽食の日本にて。
7月20日(月) 晴ときどき曇り
友人が来訪。夕方より、ビールを飲む。それに先立ち、水底とふたりで料理三昧。
いつの間にやらいろんな料理が並んでしまう。飽食、飽食。今日は1食だけ。
食:17時~、ナシゴレン、ジャガイモの揚げ煮、クルプック、トムヤムクン、タイ風春雨サラダ、鶏肉と春雨のサラダ、ベトナム風生春巻、
モヤシのナムル、ナスと油揚げの煮炒め、ゆでとうもろこし。
ナシゴレン…芝エビ、ニンニク、人参、
キャベツ、トマト入り、ニョクマムとインドネシア醤油で味付け、香菜添え。
ジャガイモの揚げ煮…
小さなジャガイモを素揚げし、醤油、日本酒、味醂、干し椎茸、豚バラ肉のダシで煮たもの。
クルプック…おなじみ、
インドネシアのエビせん。
トムヤムクン…タイのスープ。材料は、
レモングラス、レモン、こぶみかんの葉、唐辛子、ショウガ、鶏スープ、塩、ナンプラー、たけのこ、しめじ、エビ、香菜。
ベトナム風生春巻…ビーフン、エビ、ニラ、
もやし、豚肉、香菜。
タイ風春雨サラダ…春雨、きゅうり、人参、タマネギ、豚肉、ナンプラー、油、レモン汁、砂糖、塩、こしょう、唐辛子。
7月21日(火) 晴ときどき曇り
午前中を寝て過ごす。起きるなり、芝エビや豆腐が傷むのをおそれ、おもむろに、麻婆豆腐風、
ナスとエビと豆腐の四川風ピリからあんかけ料理を作る。夕食では、水底がビビムメミョン(朝鮮風冷麺)を作るといきまいていたが、ピーマン、
タケノコ水煮、ナス、レモングラス、コブミカンの葉、生唐辛子、レモンを発見し、突如グリーンカレーも登場。
「冷麺とトムヤムクンのカレー添えだ」と言い張る。それぞれが好き勝手におかずをつくるので、収拾のつかない食卓が続く。そういえば、
帰ってから味噌汁を2回しか作っていない。いかーん。
最近の我が家のはやりは、中華、韓国、タイ、マレーシア、ベトナム、そして、インドネシアである。
食:12時、ご飯、麻婆豆腐ナスエビ、キュウリのナムル、ジャガイモ揚げ煮、春雨サラダ、ナスと油揚げ炒め、塩鮭、ゆでとうもろこし。
食:21時、ご飯、タイ米ご飯、トムヤムアヤム、タイグリーンカレー、朝鮮風冷麺、麻婆豆腐ナスエビ、ジャガイモ揚げ煮、春雨サラダ、
キュウリのナムル。
麻婆豆腐ナスエビ…豆腐とナスとエビを、
ニンニク、ショウガ、タマネギなどとごま油で炒め、豆板醤、テンメンジャン、紹興酒で味付けしたもの。
トムヤムアヤム…トムヤムの鶏スープ。
朝鮮風冷麺…ビビムメミョン。
しこしこと歯ごたえたっぷりの冷麺に唐辛子たっぷりの赤いタレをつけ、キュウリとトマトを添えたもの。冷たくて、そして、身体が暖まる。
タイカレー
マーボ
7月22日(水) 晴のち曇りのち雨
久々にインターネット空間をさまよう。途中、地震を視覚的に見せるところや、深宇宙の写真などを公開しているところに目が釘付けになる。夜中、
雷光が瞬く。
ところで、寝かせておいた味噌をはじめて使う。大麦入り米味噌で昨年の秋に仕込んだものだ。約1センチの赤茶けて濡れた煉瓦色の表層を掘ると、
黄土色の味噌が出てくる。さらに掘り進むと、たまりができていて、すぐさまキュウリをつけて食べたいような香りだ。うむむむむ。
大豆と塩と米と麦から、こんなものができるとは。麹め、やるな。
今日の主役は味噌汁になった。
食:12時、タイカレー、豆腐ナスエビ、ジャガイモ揚げ煮、豆モヤシのナムル。
食:19時、ご飯、ほうれん草と油揚げとオカヒジキの味噌汁、キャベツとニラの焼きそば、トムヤムスープ、タイカレー、豆腐ナスエビ、
ジャガイモ揚げ煮、豆モヤシのナムル。
7月23日(木) 晴れのち雨
外でうち合わせ。久しぶりに太陽を浴びた。汗が体から吹き出してくる。それが自然なのだ。打ち合わせの相手は私たちよりも日に焼けていた。
聞けば、北海道でカヌーを4日ほど漕いだという。私たちは、バリ島でも山の方に居て、水遊びや海遊びをしなかったので、
それほど日に焼けているようではないらしい。ちょっと口惜しい。
夕方から、男女7人で居酒屋に入り飲み食いする。最初はビールを飲んでいたが、やがて焼酎になり、みさかいなく飲み、食べてしまった。
アルコールを受け付けない水底は、最初からご飯と格闘し、2杯をたいらげ、食べていた。
暴飲暴食は身体によくないのだがこの2週間で4回もこんなことをしている。飽食日本である。
食:12時、ご飯、味噌汁の残り、焼きそばの残り、納豆、など。
食:17時~、飲み会。ビール、焼酎をはじめいろいろ飲み食い。
7月24日(金) 雨のち曇り
昨夜から降り始めた雨は、午前中早い時間まで降り続いていた。さらさらと弱くもなく、さりとて土砂降りでもなく、
さらさらさらさらと降り続いていた。雨の音が心地よい。梅雨の雨である。酔った頭は雨音に時々起こされながらも、ぐっすりと眠ることができた。
自由民主党の総裁選挙は小渕氏を選ぶ。落ちてゆく日本経済の底は見えない。
散歩して遠出ついでに入ったことのないスーパーに入る。東京のスーパーはあまりおもしろくないのだが、しかし、
やはり仕入れシステムや地域性が出ているので興味はつきない。この地域では珍しく試食をいっぱい出していた。水底が喜ぶ。
ひとつ驚いたのはスーパーではなく、某大手練り物メーカーの製品であった。
これまで当たり前に使われていた防腐剤がほとんどの製品からなくなっている。竹輪も薩摩揚げも。やればできるじゃん。
消費者の要望に応えたものだろうが、対応するという姿勢は好感が持てる。でも、よもやキャリーオーバーなんてことはないですよね。
それとも賞味期限表示に変わった結果かなあ。いずれにしても考えさせられる変更でした。
食:12時、ご飯、和風カレーうどん、キャベツとソーセージの炒め物。
食:19時、ご飯、油揚げと小松菜の味噌汁、オカヒジキのおひたし、鶏とカボチャとジャガイモと人参のうま煮、やわらか薩摩揚げ煮、
キャベツソーセージ
和風カレーうどん…豚肉、タマネギ、
ニンニクを煮る。カレー粉と小麦粉を入れる。椎茸と鰹節でダシをとり、みりんと醤油で味付けをしてつゆをつくる。つゆでカレー汁をのばす。
うどんにかける。以上。明治の頃のカレーうどんである。
7月25日(土) 曇りのち雨
蒸し暑くなった。しかし太陽はほとんど見えない。夜中、ふたりして木星や衛星エウロパなどの映像をみてどきどきする。さらに、
ファーブルの伝記もの映像をみて、虫の姿にわくわくする。バラエティテレビ番組で家常豆腐をやっていて、
豆腐を揚げる姿にインドネシアのタフゴレンを重ね合わせる。
食:14時、スパゲッティたらこ水底風、ご飯。
食:22時、ご飯、ワカメと小松菜の味噌汁、納豆、切り干し大根の煮付け、つけ揚げ、キャベツのハーブ炒め。
スパゲッティたらこ水底風…たらことバター、
レモン、タマネギ、ピーマン、トマト入り。酸味を効かせていただく和風ではないたらこスパ。
| カテゴリ:はる食日記 | 1998年7月3週 | 1998年7月25日
07月31日金曜日 1998年7月4週 (はる食日記)
7月26日(日) 曇りときに雨
蒸し暑い。聞けば湿度95%だとか。なにをしてもじっとり。やる気なく本を読んだりして過ごす日曜日。
夕方、豆を煮てカレーをつくる。昨夜、6種類ぐらいの豆を水に漬けておいた。小豆と黒豆と外国の白い豆と、あといろいろ。それを鍋煮る。
その横で、ニンニクたくさん、しょうが少々、タマネギ大1個をみじん切りにし、オリーブオイルで炒め、ついでにクミンとクローブを入れて炒める。
理由はない。炒めたら、豆を煮ている鍋に入れる。唐辛子を5本くらい入れてみた。煮えた頃に、カレー粉を軽く入れ、塩で味をつける。
かくし味に醤油を少々。さらにヨーグルトをカップ1杯分ほど加え、煮詰まるまでぐつぐつ。最後にバターを落としてできあがり。
これで不思議と豆カレーになるのだから、いい加減なもんである。味噌汁と同じで、いちいち分量やレシピを考えていられない。あるもの勝負!
食:11時、ご飯、納豆、卵(水底)、ご飯、納豆、天ぷら(薩摩揚げ)、ふりかけ、切り干し大根煮(私)
食:22時、ご飯、豆カレー風煮込み、切り干し大根煮、豆モヤシのナムル。
切り干し大根煮…昨夜から登場。実は、
今日からがおいしい。切り干しといってもほとんど割干しで昨日はたくわんを食べているような食感だったが、一晩置いてようやく汁がしみた。
ちなみに、油揚げと干し椎茸、みりん、醤油、日本酒のみの味付け。
7月27日(月) 晴
久しぶりの青空。気温も30度を超えた。午後の日差しを浴びに外に出て、そのまま映画『GODZILLA』を見る。
週刊誌などでいろいろ悪口を書かれていたため、ちょっと心配していたが、ちゃんと「ゴジラ」しているではないか。ストーリーにしても、
人間とゴジラの絡み方にしても、本家本元の「ゴジラ」をきちんとかみ砕いて、それでいてアメリカ映画に仕上げている。
私も水底もちゃんと楽しんだぞ。評論している人、ちゃんと日本のゴジラ第1作を見なさい。
昼にゆでたそばがあまりにまずかったので残す。夕食の時、豆腐を揚げるのにあわせて揚げそばにしてみる。なるほど、
かた焼きそばになるではないか。
食:12時、ご飯、そば、そばつゆ(厚揚げ、小松菜入り)、切り干し大根煮。
食:21時、ご飯、家常豆腐、家常豆腐かけかた焼きそば、大根葉のふりかけ、切り干し大根煮、ワカメとタマネギの味噌汁。
家常豆腐…豆腐を薄く切って高温で揚げ、
豚挽肉、タマネギ、ニラ、ナスを炒め、豆板醤、テンメンジャン、紹興酒で味をつけ、スープを入れ、豆腐を入れて煮込み、
最後に片栗粉でとろみをつけるおかず。
7月28日(火) 晴
快晴。天気予報のうそつき。昨日も、今日も、雨なんか降るそぶりさえないじゃないのさ。どうしてくれる。梅を干せたのに。ぷんぷん。
渋谷でうち合わせを2本。しらふで盛り上がるのは楽しい。
食:9時、とうもころし(私)。
食:11時半、ごはん、家常豆腐など(水底)。
食:12時、仕出しお弁当(会議、私)
食:21時、ご飯、昨日の味噌汁、ルンダン、サンベランアヤム、ナス煮、大根とコーンのサラダ、唐辛子煮、マグロの刺身、切り干し大根煮、
大根葉ふりかけ、家常豆腐、インゲンのココナッツサラダ。
ルンダン…牛肉のカレー煮込み。
インドネシアのパダン料理。ココナッツがあまい。
サンベランアヤム…鶏のココナッツカレー汁。
タイのカレーが甘くなったようなもの。
7月29日(水) 晴
なんだ、晴ではないかい。どーしてくれる。古いSFを読んだり、人と打ち合わせをしたり、いろいろして過ごす。新木場の方面に行くと、
海が近いので匂いが海。しかし暑い。
スーツ着ている人たちはとても暑いんだよね。私も昔、そんなことがありました。
食:9時、マグロのズケ茶漬け。
食:12時、ご飯、ルンダン、サンベランアヤム、大根とコーンのサラダ、唐辛子煮、大根葉ふりかけ、バナナ餅米ココナッツお菓子。(私、
水底は外で類似のを食べている)
食:20時、挽肉と夏野菜カレー、レタスとキュウリのナムル、サンマの蒲焼き、大根葉ふりかけ。
夏野菜カレー…セロリ、ニンニク、タマネギ、
合い挽き肉、トマト、ピーマン、唐辛子、なす、コーン、ジャガイモ、インゲン入り!
7月30日(木) 晴のち曇り一時雨
午後3時頃、天は真っ暗になり、やがて雷が鳴り響き、土砂降りとなる。ずっと会議だったので関係ない。
夕方から飲み屋で宴会。
食:11時、カレー、ご飯、大根葉ふりかけ。
食:17時~宴会。
食:水底、カレー、ご飯、チャプチェ。
7月31日(金) 晴のち曇り一時雨
水底は酒が飲めない。アルコールをほんのちょっと体内に入れるだけで、酩酊してまう。よく観察していると、日頃から酔ったような言動がある。
きっと脳内麻薬物質出まくりなのだろう。そこにアルコールが入ると、もう世界は幻覚…。安上がりである。
さて、なぜこのようなことを書いているかというと、昨夜、私が酔って帰宅すると、水底もふらふらしていたからである。聞くところによると、
アイスクリームを食べてから変だとか。アイスのパッケージには原材料の一番最後に「ラム」とあった。アルコールが1%もない食品であるが、
水底には十分すぎる量だったのだ。翌朝、水底が二日酔いだったことは言うまでもない。
食:11時、ご飯、チャプチェ、カレー、つけ揚げ(てんぷら、さつまあげ)とキャベツの炒め物、大根葉ふりかけ。
食:16時、梅茶漬け。
食:22時、ご飯、油揚げと菜っぱの味噌汁、ナスと油揚げの炒め煮、油揚げ焼き、チャプチェ、冷やしトマト、
大根とインゲンのヨーグルトマヨネーズサラダ、キュウリとレタスのナムル、納豆。
油揚げ焼き…何度も書くようだが、
油揚げをグリルで焼いて、ショウガをすりおろし、醤油を付けて食べるのは実にうまい。これとご飯、これとビール、これと焼酎、これと日本酒。
うーん、夏の風物詩である。