たべたりだしたりこなしたり
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03月07日火曜日 2000年3月1週 (はる食日記)

3月1日(水)
晴。朝、水底妹宅へ車で行く。水底がコンビニでご飯を買ってくる。パソコンの設置をする。モデムを購入することになる。午後、給食関係の会議。 水底は都内で所用。会議後、新宿でモデムを購入し、水底妹宅へ。設置して帰宅。夜は鍋。ご飯を炊き、鶏の手羽先、大根、白菜、里芋、春雨、餅、 人参を入れる。ついでに手羽先の甘酢しょうが煮をつくる。好評。たれが実にうまい。

食:10時、コンビニ弁当。
食:20時、ご飯、水炊き、手羽先の甘酢しょうが煮、ほうれん草のおひたし。

3月2日(木)
早朝起きて、電車に乗り、筑波へ。水底は実家へ。私は、農業情報技術セミナーに出席。正直なところ、あまりおもしろい会ではなかった。 インターネットへの幻想と情報産業への憧れと思惑が入り乱れた中身の薄い会であった。 農家が見えない人による農家のための情報化会議とはなんだろう。提携米にかつて参加していて、 今は農業を離れて仕事をしている秋田のT氏とともにコンピュータについて話をする。ほぼ同世代なので話がはずむ。現地泊。 昼も夜もホテルの1階にあるファミリーレストランで食べる。

宅配:里芋、人参、大根、ネギ、キャベツ、ブロッコリー、ほうれん草、セロリ、小松菜、伊予柑、 納豆、豆腐、油揚げ、鶏モモ、鶏手羽、卵

食:8時、パン、水(買い食い)
食:12時、ハンバーグ、牡蠣フライランチ(外食)
食:20時、うどんとウナギまぶし丼、ビール、フライドポテト、アジフライ(外食)

3月3日(金)
晴。秋田のT氏と秋葉原へ向かう。筑波からのバスに乗る前に喫茶店でサンドイッチを食べる。パーツショップを回る。金がなくても楽しい。明日、 プレイステーション2が発売されるので、秋葉原ではそれを待つ列ができていて、テレビ局が取材に来ている。じゃんがららあめんを食べに行く。 むせる。一仕事をして、風呂、食事。ご飯を炊き、キャベツと卵を炒め、豆モヤシと桜エビでスープを作り、牛肉の佃煮でご飯を食べる。

食:9時、サンドイッチ、コーヒー(外食)
食:14時、ラーメン、ご飯(外食)
食:23時、ご飯、モヤシスープ、キャベツ卵炒め、牛肉の佃煮、海苔の佃煮。

3月4日(土)
曇り午後雨。久しぶりの雨。こんな日に外出の予定を入れてしまった。S氏と下北沢で会い、打ち合わせ、その後ふたりで酒を飲む。 雨が降っているので人通りがいつもより少ない。その点はよかった。実にめずらしく日本酒、しかも熱燗を飲む。途中のどが渇いたのでビールにする。 今年はよく飲んでいるなあ。

食:17時、日本酒、皿うどん、かつおの刺身、コロッケ、マグロのカマ焼きなど(外食)
食:24時、モヤシキャベツ卵インスタントラーメン、ご飯

3月5日(日)
曇り。仕事と片づけ、カレーの仕込みをして外出。水底妹のパソコンメンテナンス。その後、実家に戻っていた水底を迎えに行く。帰宅後、夕食だが、 水底はパソコンメンテナンスに時間がかかると考え、いなり寿司や巻き寿司を買っていた。鉄火巻きなど傷みやすいものだけ食べる。 水底妹がマカロニと鶏とシメジのサラダをくれる。追加でキャベツ大根と豆腐のサラダをこしらえる。カレーは煮干しとキャベツ、セロリ、ニンニク、 ショウガベースで、鶏、セロリ、タマネギ、人参、ジャガイモを具にした。

食:17時、パン(コンビニ)
食:22時、巻き寿司、カレーライス、豆腐サラダ、マカロニサラダ。

3月6日(月)
曇り。昼前に食事をしてから新橋へ。打ち合わせ。しばらく忙しくなることが決まる。帰宅後、仕事。夕食は、昨日と同じカレーライス。 豆腐サラダに豆腐とブロッコリーを追加する。ほうれん草のおひたしを添える。昨日食べきれなかった納豆巻きといなり寿司を食べる。

食:11時、カレーライス。
食:21時、カレーライス、ほうれん草おひたし、納豆巻き、いなり寿司、豆腐ブロッコリーサラダ。

3月7日(火)
晴。終日自宅にて仕事。水底、夕方買い物にでる。イカとトンブリを買って帰る。水底はトンブリが大好きだ。 食事は、昼、味噌汁を仕立てる。油揚げ、ゴボウ、里芋、大根の味噌汁にほうれん草のおひたしを入れる。ほうれん草をさっとゆがいて、 塩、コショウで炒める。オムレツをつくる。これらとカレー。夜は、里芋を皮付きで茹でる。ほうれん草入りのオムレツをつくる。 イカとセロリとネギの炒め物をつくる。これは、ニンニクとごま油で中華風にして最後にゴマをふりかけたもの。塩、コショウと醤油味。 昼の味噌汁にネギと大根を加え、増量。ご飯を炊いてカレーの残りとともにいただく。

購入:イカ、とんぶり。

食:14時、カレーライス、味噌汁、オムレツ、ほうれん草の炒め物。
食:22時、ご飯、味噌汁、イカの刺身、イカとセロリとネギの炒め物、ほうれん草入りオムレツ、とんぶり、カレー、里芋。

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03月14日火曜日 2000年3月2週 (はる食日記)

3月8日(水)
晴。昼前に起き、玄米入り食パンを食べて、水底とともに幕張の食品見本市へ。アメリカとイタリアと韓国のブースが広い。 輸入米を取り扱っている国が数カ国ある。特にアメリカは、コシヒカリ、あきたこまち、カルローズ、餅米と、種類も多く、 外食産業に向けてアピールしていた。非遺伝子組み換えをうたった缶詰や冷凍野菜が目立つ。有機食品の表示も目立つ。いずれも海外企業で、 国内では有機食品のブースが別立てで用意されていた。小さなと言っては失礼だが、大きくないメーカーがそろっている。もちろん、 知っている会社や知人もいる。また、毎年ここの事務局から依頼を受けてH氏が写真を撮っている。探すまもなく発見。しばらく立ち話をする。 このH氏は、バリ島に一緒に行ったH氏である。3時間歩き通して疲れる。特に新しい発見はない。ただ、 イタリアやスペインやフランスのオリーブオイルは高そうだったが、たしかにうまかった。こういうのを日常的に使えるとうれしいのだが。帰りしな、 水底が空腹を訴えるのでファミリーレストランへ。某ロイヤルホストだが、春の新作というのを出していた。水底は、 ビーフクレーブグラタンを食べる。うわあ。夜、水底がキャベツ、ポーチドエッグ、ワカメなどの入ったインスタントラーメンを作り、 それをふたりで食べる。

食:12時、食パン。
食:18時、揚げ物丼とうどんのセット(外食)
食:23時、インスタントラーメン、ご飯、イカとセロリとネギの炒め物。

 

3月9日(木)
晴。近所の道ばたで、大きな望遠レンズをかついだ野鳥親父が写真を撮っていた。私の生活空間なのだが。たしかに野鳥は多いけど、 ここは人もたくさん住んでいるのだが。まあよい。髪を切りに行く。仕事に詰まったからだ。逃避という。しかし、その後ちゃんと仕事をする。なお、 午前中水底は一時外出。友人と茶をする。その間に腹が減った私は豆餅を焼いて食べる。調子に乗ってたくさん餅を食べる。ああ、餅がおいしい。 水底戻り、カップ麺とご飯とワカメサラダという組み合わせで食べる。宅配屋さん来る。2週続けて注文しなかったのでちょっと悲しそう。すまん。 来週も忙しく、ほとんどふたりとも家にいないのだ。ああ、生活が乱れ続ける。気を取り直して夕飯は大根と鶏の手羽先の煮物。塩、コショウ、 ショウガ味。これとワカメ炒め、冷や奴、納豆など。

購入:豆腐、みかんジュース。

食:12時、豆餅。
食:21時、ご飯、大根と鶏の手羽先の煮物、ワカメ炒め、冷や奴、納豆、トンブリ。

 

3月10日(金)
起きて、新橋の里地事務所に行き、打ち合わせ。そのまま、水底姉妹とともに水底実家へ向かう。昼は、立ち食いうどん。夜は、ご飯、鍋。 鍋は鶏と鮭、大根、油揚げ、豆腐などなど。大根と鶏の煮物も持っていった。仕事をする。原稿書き。

食:14時、立ち食いうどん(外食)
食:20時、鍋、ご飯、大根煮、ほうれん草のおひたし、ブロッコリーサラダなど。

 

3月11日(土)
水底実家。午後から雨。猫を病院に連れて行く。恐怖の鳴き声に恐怖する。モバイルギアで仕事。原稿書き。朝は、ご飯、味噌汁などなど。昼は、 ご飯、味噌汁、鮭の甘酢あんかけなどなど。夜は、餃子を水底姉妹がつくり、私が焼く。それらなどなど。

食:8時、ご飯、味噌汁、ブロッコリーサラダ、ほうれん草のおひたし、卯の花など。
食:12時、ご飯、鮭の甘酢あんかけ、サラダ、味噌汁など。
食:21時、ご飯、焼き餃子、ブロッコリーサラダ、ほうれん草のおひたし、味噌汁など。

 

3月12日(日)
水底実家。朝のうち雨、午後は晴。朝、ご飯、味噌汁、めかぶ納豆、キャベツサラダ、ブロッコリーサラダなどを食べる。 モバイルギアで仕事を続ける。昼は、豚肉やキャベツ、モヤシなどが入ったラーメン。夕方、出発して夜中に戻る。夕食は、 海老名のサービスエリアで済ませる。

購入:トンボマグロの刺身、メークイン、モヤシ、めかぶトロロなど。

食:9時、ご飯、味噌汁、昆布納豆、ほうれん草のおひたし、キャベツサラダ、ブロッコリーサラダ、 豆腐など。
食:13時、ラーメン、ジャガイモとワカメのサラダ。
食:21時、カレーライス(外食)

 

3月13日(月)
朝起きて、洗濯をする、ご飯を炊く。味噌汁には、小松菜、ネギ、ワカメを入れる。モヤシを炒めて真ん中に卵を落とし、 巣ごもりモヤシ炒めをつくる。ほうれん草のおひたしと、ジャガイモをすりゴマ、酢、マヨネーズなどで和えたサラダをつくる。その後、 遺伝子組み換えの集会に参加。夜は、朝の味噌汁にカボチャを足す。鶏の手羽先、里芋、ゴボウ、人参、タマネギでうま煮をつくる。 カボチャを切って、ニンニクとともにフライパンで焼く。鶏のうま煮は美味なり。

食:10時、ご飯、味噌汁、巣ごもりモヤシ炒め、ほうれん草のおひたし、ジャガイモサラダ。
食:21時、ご飯、味噌汁、鶏のうま煮、ほうれん草のおひたし、とんぼマグロ刺身、ジャガイモサラダ、カボチャ焼き。

 

3月14日(火)
晴れ。終日自宅で仕事する。食事は、ご飯を炊き、味噌汁をつくる。味噌汁には、小松菜、ネギ、カボチャ、そうめんを入れる。 そうめんは水底の希望。ほうれん草のおひたしを一部刻んでオムレツにする。夜は、水底の希望でインスタントラーメン。 徳島製粉の徳島ラーメンという商品を食べる。…おいしい。ラーメンには、キャベツ、ネギ、小松菜、海苔を加えてある。あとは残り物。夕方、 水底が買い物に出る。夜明けまで仕事する。

購入:牛乳。

食:15時、ご飯、味噌汁、昆布納豆、ほうれん草のおひたし、ジャガイモサラダ、鶏のうま煮、 ほうれん草のオムレツ、とんぼマグロ漬け
食:22時、ご飯、インスタントラーメン、ジャガイモサラダ、ほうれん草のおひたし、鶏のうま煮

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03月21日火曜日 2000年3月3週 (はる食日記)

3月15日(水)
曇り。水底朝から外出。私は終日仕事。途中、豆餅、お茶漬け、レトルトカレーと冷凍していたご飯、メークインの茹でたものなどを食べる。夜は、 水底が作る。セロリとタマネギをたっぷり利用したスパゲッティ、ゆでたカボチャと、メークイン。一休みして、また夜明けに向かって仕事する。

食:10時、豆餅、お茶漬け。
食:13時、レトルトカレー、ご飯。
食:22時、スパゲッティポモドーロ、カボチャサラダ、茹でメークイン。

3月16日(木)
多摩地方、朝から雨。気温も低い。水底を駅まで送る。その後、ご飯を炊き、玉ねぎ、キャベツ、桜エビ、卵でチャーハンをつくる。 カボチャとともに食べる。一仕事してから私も出る。水俣へ出張。途中、『証言 水俣病』(岩波新書)を読む。現代社会に生きる人間が、 どのようにしたら生命を取り戻せるのか、生命としての尊厳をとりもどせるのかを考える。私は、食べものを通して、 モノを考えるようにしているのだが、食べものさえ、「システム社会」の中でしか存在を許されていない。「システム社会」とは、 同書の中に出てくる言葉である。実体のない、しかし、歴然とすべての人をからめとっている今の社会をこの言葉は指している。 個人の尊厳の中の食べもの、人と人、人と自然との関係性、コミュニケーション、交流、 相互作用としての食べものの姿を再生することはとても難しい。しかし、すべてのヒトは食べる。食べるからこそ、そこには望みがあると思う。
実家で味噌汁を作る。イリコ、ゴボウ、里芋、ニンジン、大根、白菜、わかめを入れる。キンピラゴボウ、手作り開きアジ、塩サバ、 キュウリの漬け物などでご飯を食べる。

食:11時、チャーハン、カボチャ、ジャガイモ。
食:10時、ご飯、味噌汁、開きアジ、キンピラゴボウ、納豆、キュウリの漬け物、ブロッコリー、生トマト、もずく酢、焼酎。

3月17日(金)
実家の人吉から水俣に行く。朝5時に朝食。朝市の取材。7時からだが、地元の人が6時半から奪い合うように野菜などを買っていく。 旬の野菜の間に、さらりと海の生ひじきが数点置かれているところが、海が生活の場にある町である。海の畑も山の畑も感覚的に近いのだ。 知っているお母さんに会ったので、長居してだらだらとしゃべる。夏豆(空豆の丸いの)のダンゴなどを食べさせていただく。 サトウキビから作った手作り黒砂糖を焼いた餅にくるんで食べさせていただく。うまい。赤芋という里芋、キンカンのシロップ煮、生ひじき、 サツマイモのガネアゲ、赤飯、ダンゴなどを購入。その後、市役所でミーティング、たけんこというレストランでだご汁とおにぎりの昼食。 水俣病歴史考証館で打ち合わせ。別の場所でガラカブ(カサゴ)、タチウオを購入し、実家に戻る。ガラカブは味噌汁、タチウオは煮付けになる。 ご飯は、生ひじきの炒め物、白菜と油揚げの煮びたし、刺身など。

購入:赤芋、キンカンのシロップ煮、生ひじき、ガネアゲ、赤飯、夏豆ダンゴ、タチウオ、ガラカブ。

食:5時、ご飯、昨日の味噌汁、塩サバ、キンピラゴボウ。
食:9時、ダンゴなど。
食:12時、ダゴ汁、おにぎり、寒漬。
食:19時、ご飯、赤飯、ガネアゲ、刺身、タチウオの煮付け、ガラカブと豆腐の味噌汁、白菜と油揚げの煮びたし、生ひじきの炒め物。

3月18日(土)
水俣は快晴。桃が咲いている。6時に車で人吉から水俣に戻る。駅前の朝市は、新田九州男さんひきいる自然農業グループたちが出している。 ここには杉本水産も出していて、杉本栄子さんがいた。『証言 水俣病』にも出てくる語り部で、漁師である。 売り子の手伝いなどをしながらお話を聞く。いろんな人がやってきて会話を交わす。昨日もそうだが、 人々の日常的な会話を聞いているだけでおもしろい、楽しい。いろんな暮らしがある。ちょっとした知恵、ちょっとした噂話、知人の心配、天気の話、 季節の話、料理の話、明日の都合…。寒いが晴れていて陽が背中にあたると暖かい。ツワブキが出ていて、杉本さんに料理方法を教えていただく。 花粉症には、同じ時期に花が咲く菜種の花(菜の花)の開きかけをゆでて食べると効果があるそうである。栄子さんの夫が今年はじめて花粉症になり、 それで直すことができたという。孫が「苦い」というのを、ちょうど孫が遊んでいたカルタがあったので、「良薬口に苦し」の意味を教えたそうだ。 昔から、春の山菜の苦みが、冬の毒を消すと言ってきた。子どものころ、何かで読んだ覚えもある。なるほど、理がある話である。
その後、久木野地区に行き、林業センターの館長を訪ねるが、休みだったので、底の名物タイカレーを食べて人吉に戻る。タイカレーは、 タケノコの代わりに干しタケノコが使ってある水俣風。だがおいしかった。
実家に戻った後、ツワブキを教わった料理方法で調理してみた。皮ごと煮るのである。あくぬきのための下ゆでもしない。ただ表面の毛を落として、 醤油、酒、黒砂糖でくつくつと煮詰めるだけなのだが、いつの間にか、あくや苦みが消えて、やわらかくなる。一晩置くとよい。おいしい。夜は、 焼鳥屋へ両親と行く。経済連につとめている高校の同級生に遭遇。

購入:干しひじき、イリコ、冷凍カタクチ、ツワブキ(生)、ツワブキ(ゆで)、生シイタケ、 サツマイモ、醤油、ニンニク入りゆずコショウ。

食:6時、おにぎり。
食:10時半、タイカレー(外食)
食:18時、焼き鳥、おでん、ビール、焼酎(外食)

3月19日(日)
人吉、雨のち晴。終日、父のパソコンメンテナンスと仕事。朝ご飯は実家で簡単に。昼は、チャンポンと餃子を食べに外出。夜は、実家にて、 母の手作り料理をたくさん。父に子どものころの食生活についてまとめるようにそそのかす。父は、海に近い山に生まれた。貧農であり、 祖母はずいぶんと苦労している。食うのに苦労した日々でもある。しかし、海があり、川もあった。海、山、川は、季節の恵みをもたらしてくれた。 貧しさの中の自然ゆえに、鮮烈な舌の記憶を持つ。父が子どものころ遊び、私もごく幼いころに数度親しんだ豊かな川は、 もはやこの時空に残っていない。囲炉裏に木をあぶり、その皮の内側の木酢の酸味でご飯を食べた日のこと。貝を拾い、ツワブキを煮、 漁師の親類が持ってきた新鮮なイワシをカメに入れ、塩漬けしておき、夏にカライモ畑で焼いて食べた。フナを手でとり、川エビをとって食べた記憶。 父の母が作り続けた味噌やタクワンの味。それらはすべて失われたが、父の舌の記憶として強烈に残っている。私が覚えているのは、 蒸気機関車に乗り、バスとタクシーを乗り継いで囲炉裏のある祖母の家を訪ねたこと。畳のない家の中心に囲炉裏があり、鍋が上からかかっていた。 中には汁が煮えていた。外には犬がいて、便所は外の小屋だった。夜、小便に行くのが恐ろしかった。小屋のまわりはカライモ畑だった。 昭和40年代半ばの光景である。私は5歳だったろうか。私には、その舌の記憶はない。たったひとつ覚えているのは、 満員の冷房もない蒸気機関車で座席に座れず、木のドアのついたステップのところに腰かけ、 売りに来た半分とけかかったオレンジシャーベットを食べたこと。その人工着色料と甘味料、香料の強烈な味。1965年に生まれ、 それは高度成長期の波がようやく届きはじめた農村地区の風景である。

食:9時、ご飯、味噌汁、ツワブキの煮付け、ヒジキの煮物、漬物、サバの塩焼き。
食:12時、チャンポン、ご飯、餃子(外食)
食:18時、ご飯、ヤマメの塩焼き、ヤマメの南蛮風、ポテトサラダ、煮しめ(こんにゃく、シイタケ、ニンジン、トイモ、里芋)、スズキの刺身、 ツワブキ、ヒジキ、焼酎。

3月20日(月)
祝日である。晴れ。5時起床。朝ご飯を食べ、熊本空港へ。熊本から伊丹を経て出雲空港へ。出雲市までバスで行き、JRで大田市へ。 そこからタクシーで三瓶山まで行く。昼は大田市のスーパーの2階にて。三瓶山到着後、竹田氏と水俣関係の打ち合わせ。その後、夕食を食べ、 地元に住む放牧牧畜の研究者と話す。その後、竹田氏と仕事を続ける。深夜就寝。

食:5時、ご飯、味噌汁、ポテトサラダ、ヤマメの南蛮風。
食:13時、カツ丼、味噌汁(外食)
食:19時、茶碗蒸し、白身魚の刺身、焼き魚、地鶏と鮭のバター焼き、おひたしなど、日本酒少々(国民宿舎にて)

3月21日(火)
島根県大田市、三瓶山、晴。終日国民宿舎にいる。午前は、一時、三瓶山を回る。午後はシンポジウム。夜は、放牧牛で10歳、 8産の牛を半年肥育してつぶしたものをみんなで食べる。地場牛の大会である。料理の例を挙げると、しゃぶしゃぶ、チーズフォンデュ、 テールスープ、タンシオ、一口ガーリックステーキ、ローストビーフ、ミートローフ、牛肉と大根の煮込み、牛肉のたたきなどである。 コクはなかったが、10歳牛にしてはやわらかく、またスープはおいしかった。でも、野菜が欲しい。

食:7時30分、ご飯、シジミの味噌汁、目玉焼き、揚げ豆腐、焼きシャケ、かまぼこ、海苔 (国民宿舎)
食:12時、割子そば(国民宿舎)
食:18時~10年ものの放牧廃牛を肥育した牛肉の料理を様々に(国民宿舎、イベント)

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03月31日金曜日 2000年3月4週 (はる食日記)

3月22日(水)
三瓶山は晴れ。野焼き日より。草原を維持するための火入れである。火が野を走る。久しぶりに裸の火を味わう。感動。 やはり人は火とともに生きているのだ。忘れかけてはいるが。その後、たたらの里を訪ね、人と火のつきあいについて学ぶ。帰宅は午後10時。 水底はその後帰宅。夜中、スパゲッティを食べる。米は朝食のみであった。

食:7時半、ご飯、シジミの味噌汁、温泉たまご、湯豆腐、海苔、鮭の塩焼き、佃煮、たくあん、 かまぼこ(国民宿舎い)
食:12時、天ぷら割子そば(外食)
食:17時、サンドイッチ、コーヒー(空港、外食)
食:18時、そば(空港、外食)
食:23時、スパゲッティポモドーロ。

3月23日(木)
東京は、曇り。雨が降りそうである。水底とともに外出。提携米会議。六本木の大地を守る会事務所が入っている1階に、 大地関連の中華料理店がある。御膳房という。日本ではめずらしい雲南料理の店であるが、実はここのタンタン麺がうまい。実によくできているので、 機会があれば食べている。水底も一度この店にパーティで来たことはあるのだが、まだタンタン麺は食べていなかった。ふたりで、 汗をかきながら酸味とゴマの甘みと豆板醤の辛みとテンメンジャンの風味を味わう。会議後、交流会。雨が降り始める。帰宅して、風呂に入り、 伊予柑を食べて寝る。夜、暴風となり、外荒れ狂う。

宅配:豆腐、油揚げ、卵、大根、里芋、キウイ、伊予柑、ほうれん草、ネギ、つまみ菜、キャベツ、

食:11時、コンビニおにぎり、水。
食:13時半、タンタン麺、ご飯、サラダ、杏仁豆腐(外食)
食:19時~、キンピラゴボウ、ヒジキの煮物、ワカサギの唐揚げ、タコの唐揚げ、おにぎりなどなど、焼酎、ビール(外食)

3月24日(金)
朝、ベランダを見たら、しっちゃかめっちゃか。セサミストリートでクッキーモンスターが入っているようなブリキのドラム缶が家にはある。 そのフタは、回すと留め金式になっていて開かないはずなのだが、それが開いて、水が溜まっている。風速25メートル以上の暴風雨であった。 7時に家を出て、提携米会議へ。コンビニでパンとヨーグルト、おにぎりを購入。今回も議事進行者がこないので代理司会となる。会議後、 いつものようにいつもの和食屋で昼飯を食べる。ついでにビールを飲む。その後帰宅。一眠りする。夜、ご飯を炊き、煮物をつくる。レンコン、 ゴボウ、里芋、人参、大根、油揚げの煮物。だしには昆布、干ししいたけ、焼きエビを使用。水底が昼に食べたそばつゆの残りも入れる。 ぜいたくだしになった。このほかに、カボチャを茹でたり、味噌汁をこさえたり、キャベツを桜エビと一緒に蒸し炒めにしてみたりする。 野菜中心ごはん。

食:8時半、パン、おにぎり、ヨーグルト(コンビニ)
食:14時、天ぷら定食(茶碗蒸しなども)、ビール
食:23時、ご飯、味噌汁(つまみ菜、ネギ、豆腐)、煮物、カボチャ、キャベツ蒸し炒め、冷や奴、貰い物の鶏の味付け。

3月25日(土)
ようやく晴れる。春の気配。水底妹の大学卒業式である。ふたりでお茶漬けをかっくらって大学へ行く。写真を撮り、 そのままの足で神楽坂の紀の膳に行く。水底は、まめかんとエビ釜飯を食べる。私は、ところてんと赤飯弁当を食べる。私は赤飯が好きだ。 おかずのしんじょはあまりおいしくなかった。赤飯はきちんと蒸籠で蒸してあり、ほのかな木の香りがして美味。その後帰宅し、一仕事をして、 再び外出。水底妹らと焼き肉屋で暴食。みな苦しがる。食べたもの、レバ刺し、ナンコツ刺し、牛カルビ、豚カルビ、骨付きカルビ、タン、レバー、 柔らか豚肉、ナス、ピーマン、キャベツ、サンチュ、キムチ、大盛りご飯、石焼きビビンバ、ワカメスープ、チゲ汁、杏仁豆腐、ビール、ウーロン茶。 苦しいが、お祝いなのでいいのだ。こうやって書くと、肉とは言え、ご飯や石焼きビビンバ、野菜などのがさが多いのに気づく。 焼き肉はご飯なしには食べられないのだ。しかし、牛肉は重たい。やはり豚肉の方が軽い。

食:8時、お茶漬け。
食:12時、赤飯弁当、ところてん(外食)
食:19時、焼き肉、韓国料理、ビール(外食)

3月26日(日)
晴れ。水底母の実家が富士市にあるので、そこへ向かう。車の中でパンの朝食を食べる。昼は、途中、ファミレスで食事をすることになる。 私はカレーライスを食べる。店の名はココス。沼津インターにある店である。持ってきたスープは、受け皿にこぼれている。 コーヒーのカップは汚れている。商品名は覚えていないなどなど。接客、対応最悪。ぐったり。夜は、母の実家でご飯をいただく。お寿司など。 毎日飽食である。ごちそうさま。

食:9時、パン、ヨーグルト(コンビニ)
食:12時、カレーライス(外食)
食:19時、お寿司など。

3月27日(月)
富士山を間近にする。晴れ。朝ご飯をいただき、一仕事。昼は、水底がスパゲッティ明太子をこしらえるのでそれを食べる。夜は、 静岡の中華料理屋にて、タンタン麺とご飯、春巻きなどをいただく。繁華街の小さな中華料理屋だが、あっさり干し椎茸系の味が基本で、 なかなかおいしい。水底は五目焼きそばを食べる。これも美味。タンタン麺としては、御膳房の方がおいしいが、麺は細く、椎茸だしなどのあたり、 別の食べものである。デザートに杏仁豆腐を食べる。

食:8時、ご飯、味噌汁など。
食:13時、スパゲッティ明太子水底風、ご飯。
食:21時、タンタン麺、ご飯、春巻き、ピータン豆腐、バンバンジー、杏仁豆腐など(静岡の中華料理屋)

3月28日(火)
雨。静岡の駅前で桜エビ天のせうどんを食べる。静岡県の浜岡原発に近いところに以前に気になっていたブラジル料理屋がある。 店名は書いてあるものの、遠くからだと何の店なのかは分からない。ブラジルの店ということしか分からない。 ひとりのブラジル男性がビールを飲んでいた。カウンターにはブラジル女性がひとり。「ここは食べられるところか?」と尋ねると、 そうだというのでカウンターに座る。メニューはファーストフード系とちゃんとした肉料理系であり、 今は鶏しかないというので鶏をもらうことにする。雨が降り、風も強い。鶏を叩いて細かい衣で揚げたものの上にチーズとハムが乗っていた。 豆のスープ、ご飯とサラダ。ものすごくボリュームがある。なかなかおいしい。プレゼントだとブラジルのコロッケを食べさせてくれた。 こちらも美味。あまり日本人はこないようだが、がんばって欲しい店である。
風雨が激しく、道路事情が悪かった。あちこちで事故が起こっていた。
自宅に戻ったのは深夜。キャベツと卵のインスタントラーメンを食べて寝る。

食:9時、桜エビうどん、炊き込みご飯(外食)
食:15時、鶏の揚げたの、チーズ、ハム、サラダ、ご飯、豆スープ、ブラジル鶏肉コロッケ(ブラジル料理店)
食:24時、キャベツ卵入りラーメン、ご飯。

3月29日(水)
快晴の朝。外を見たら、いろんなものが芽吹いている。ウグイスが典型的な声で鳴いている。風は強い。 春が暴力的に冬を追い出そうとしている。水底がご飯をこしらえる。大根とキクラゲと干し椎茸を味噌で煮込んだものがとてもおいしい。 午後、実家に預けていた荷物が届く。購入物は、水俣のものなので、ここには書かない。追加で頼んでいた皮付き黒豚肉も届く。夜は、 届いた冷凍釜揚げジャコを食べる。チャーハンをつくるが、タマネギ、キャベツのみの具で、醤油味も少々にしておき、 ジャコをたっぷりのせて食べるようにした。終日自宅で仕事。

食:11時、ご飯、ワカメと菜っぱの味噌汁、ポテトサラダ、大根とキクラゲと干し椎茸の味噌煮、 キュウリの梅和え、カツオのふりかけ、海苔の佃煮。
食:20時、チャーハン、ジャコ、ポテトサラダ、味噌煮、キュウリ、カツオのふりかけ。

3月30日(木)
早朝より千葉県市川市で会議。その後、新橋で会議。さらに、夕方から西方に旅立つ。夜、会食、宿泊。また外食続きとなる。

宅配:油揚げ、豆腐、鶏手羽先、豚挽肉、大根、ゴボウ、わけぎ、芽キャベツ、ニラ、キュウリ、 レンコン、小松菜、つぼみ菜、ハッサク

食:14時、パン、ヨーグルト(コンビニ)
食:17時、かき揚げそば(外食)
食:20時、刺身など魚介類、ビール、ご飯など(宿泊先)

3月31日(金)
宿泊先で朝食を食べた後、そこを出る。所用を済ませ、夜帰宅。ご飯を食べたかったので、ご飯を炊き、めんどうなので、ありったけの野菜、 主に根菜類と鶏の手羽先をぐつぐつ煮込み、味噌汁をつくる。入れた具は、大根、里芋、ゴボウ、ネギ、カボチャ、油揚げ、鶏手羽先、小松菜。

食:8時、ご飯、味噌汁他(宿泊先)
食:12時、五目あんかけ焼きそば、ご飯(外食)
食:17時、茶そば、いなり寿司(外食)
食:24時、ご飯、鶏汁、ジャコ、キュウリの梅和え、カツオのふりかけ。

| カテゴリ:はる食日記 | 2000年3月4週 | 2000年3月31日

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