1999年1月1週

煮しめ。おせちの基本です。 海のお雑煮。今年もおいしく過ごせますように。

1月1日(金) 晴
快晴できりりとした冷たい空気がおいしい新年。ベランダから雪をかぶった富士山を拝んで初詣とする。今年もおいしく過ごそう。
朝からパソコンを叩いて仕事はじめ。サッカーの天皇杯で横浜フリューゲルスが清水エスパルスを破り、天皇杯を抱えたままチーム解散を迎える。人の意志の力はすごい。午後、水底と静かな町を散歩し、夕方から年賀状づくり。毎年元旦の恒例になっている。
お昼には、昨夜食べる予定だった年越しそば第二弾・かけそば編を、お雑煮に先立って食べることにする。
用意していたお節料理は、黒豆煮、かわり栗きんとん、煮しめ、豚バラの白煮、酢ゴボウ、紅白なます、それに小田原鈴廣の伊達巻きである。
それぞれに解説を加えると、黒豆煮は水底の作で、戻した黒豆を薄味の調味液に漬け込み、一昼夜置いてからことこと煮て、仕上げに蜂蜜で照りと甘みを足したもの。まったく皺がよらず、つやつやとして美しい。
かわり栗きんとんは、常より重箱の角に残るきんとんをあわれに思っていた水底が、きんとんを余さずに食べようと考え出したもの。きんとんを丸餅のように丸め、その上に栗をのせてオーブンで焼きしめたのである。きんとんのしっとり感を残したまま、手でもつまめ、飾りにもなる。ちなみに、栗は国産の水煮のいただきもの、芋は鹿児島産の紫芋を用い、紫と黄色の色合いを楽しんだ。
煮しめは私の田舎風で、昆布、干しタケノコ、干しシイタケ、干しワラビ、干し芋ガラなどの乾物を用いる。今回は、一部材料の調達が間に合わず、昆布、干しタケノコ、干しシイタケ、水煮ワラビ、人参、里芋、ゴボウ、レンコン、コンニャク、油揚げとした。味付けは、薄口醤油、みりん、日本酒、ざらめ糖のみ。コツは、具が動かないようにうまく鍋につめることと、およそ煮えたら火を止めて、そのまま味がなじむまで鍋から出さないことである。あと、言うまでもなく、よい素材を選ぶことが肝心。味は、調味料とダシと具のうま味が渾然一体となって生まれるものだから。
豚バラの白煮は、友人から教えてもらった料理。豚バラ肉の角切りを塩と黒コショウで煮込むだけなので、素材の味がそのまま出てくる。塩は自然塩、黒コショウは粒を挽き、肝心の豚肉は仙台黒豚会のもの。子豚期以後の投薬や飼料添加物を使わず、こまやかに育てた豚をおいしくいただく。腰を据えてじっくりと煮込むべし。
酢ゴボウは、水底のリクエスト品。いわく「煮たゴボウを調味液にひたし、最後にすりゴマをまぶしたもの」とか。調味液は水底がそばつゆ用にこしらえた二番だしを拝借し、それに醤油と酢と砂糖を入れてみた。こちらも半日漬け込むことで味がしみ込み、ゴマの香りに包まれて実によい。
紅白なますについては簡単なので省略。
ちなみに、鈴廣の伊達巻きは高かったが、添加物を使わず後口のよい上品な味。他商品の倍以上するお値段は理由があってのこと。これは、ぜいたくではないと思うのだが。
お節料理を三段の小さなお重につめ、そばをゆがく。そばは昨日打ったもので、そば粉が古かったためにちょっと失敗。そばつゆは、水底作のかえしと、一番だし、二番だし、鶏のもも肉を茹でたもの。すこぶる美味。薬味は、葱、ゴマ、海苔、七味。
そして、夜。お正月はまだまだ続く。年賀状作りに一区切りをつけ、ちらし寿司とお雑煮を仕込む。すでに、昼ご飯の準備と合わせてちらし寿司の具と、お雑煮のだしはとってあったのでそれほど時間はかからない。いつものように土鍋でご飯を炊き、むらし時間を見て風呂に入る。
ちらし寿司を4合つくる。人参、レンコン、ゴボウ、鶏肉、干しシイタケを醤油とみりんと日本酒とざらめで煮込んだ…あれ。ほとんど煮しめと同じだ。飯台にご飯をとり、合わせ酢をなじませたあと、具を混ぜこんでできあがり。薄焼きの錦糸卵と海苔、三つ葉、いりゴマを添えて…あれ、そばの薬味とほとんど同じだ。料理って使い回しだということを、お節料理と正月料理で実感。
お雑煮も煮しめ同様に私の田舎風。干しエビと干しイカ、もといスルメ、干しシイタケをダシにするのだが、準備しそこねたので、干し桜エビと干し貝柱で代用する。具には、人参、鶏肉、三つ葉、豆モヤシが欠かせない。水底が、「去年とほぼ同じ味」と言ってくれたので、代用品成功である。
そして、台所では、豚の白煮の煮汁に鶏ガラと長葱、ショウガが加わり、ぐつぐつと出番を待つのであった。
ところで、水底と散歩に行ったのは、年賀状が少々不足するためコンビニエンスストアで無地の年賀状を探すのが目的だったのだが、水底には心の奥底に隠れた目的を抱えていた。セブンイレブンを経由し、ファミリーマート方面に向ったところで、水底は歌い始めた。CMソングである。水底は、ファミリーマートに入るなり、「ドッチモイタリアーノ」というお弁当をひとつ買っていた。新年早々とほほ。
帰ってからこれを食べた水底は、自分で作るしかないと心に決めるのであった。

食:12時半、かけそば、三段お重のお節料理、麦入り冷やご飯。地ビール(私のみ)。
食:17時、栗ドラ焼き、ミカン、お茶、コンビニの軽食。
食:22時、ちらし寿司、お雑煮、三段お重のお節料理、御前崎トンボマグロ刺身。ドリンクヨーグルト。


1月2日(土) 晴
 本日も快晴。昼前に目を覚ます。ベランダにつながれていた大型犬がいなくなっていた。この犬は、故があってこの家の庭につながれており、我々が入居する際に転居いただくはずだったのだが、なかなかそうもならず、正直言って困っていたところである。
 愛玩犬として一番大きな犬であり、人なつっこいのでも知られている。ともかく、誰に対しても吠えかからずにかまってくれるものと信じてしっぽを振るような奴であり、我々のことも、時々エサをくれる人ぐらいに思っていたのであろう。ともかく、いなくなってほっとした。エサ用の器をはじめ、彼の持ち物も一緒に消えていたので安心である。
 水底は、12時間ドラマ「赤穂浪士」をずっと見ていた。12時間! 途中、贈り物のクッキーを焼いたりしていたが、あとはずっとテレビ! 水底は、江戸物に弱いのだ。
 とはいえ、本日はまず水底が台所に立ち、昨日の山風雑煮ではなく、水底田舎の海風雑煮をこしらえた。昨年と同じ展開である。水底の雑煮の一番は青海苔がたっぷり入ることであろう。一番だし、二番だしに塩と醤油少々、それに人参、大根、小松菜などの野菜、鶏肉、青海苔である。ふわりと磯の香りがして実によい。山育ちには考えられない味わいであるがうまいのには変わりない。これに、昨夜のちらし寿司を食べたのだが、一晩で酢などがじっくりと染みた寿司というのは、これまたうまい。作りたてとは違ったうまさがある。二度目のうまさというのは、1回の料理でふたつの味が楽しめるわけで、実にすばらしいものだ。最近は、2食同じ物を食べるのが手抜きのようで嫌だという風潮らしいが、この二度目のおいしさを忘れているとは残念至極。
 午後遅く、水底クッキーやミカンなどで腹をごまかしつつ、ご飯の支度をする。夜は私が台所に立ち大麦入りご飯を3合炊く。そして、ぐつぐつと昨日から火を入れたり止めたりしていた豚鶏ショウガ長葱スープを元にラーメンをこしらえる。スープにそば用のかえしと魚醤、醤油を加え、豆モヤシ、キクラゲ、豚バラ白煮などで味を出し、ごま油を入れて香りを出す。最後にゆで卵、煎りゴマ、海苔、青葱を散らしたものである。麺は油揚げのちぢれ麺を使い、具は九州、麺とスープは関東風的なラーメンとした。

食:12時、水底風海の雑煮、ちらし寿司、三段お節。ビール(私のみ)、ドリンクヨーグルト。
食:18時、水底クッキー他、お茶、ミカン。
食:21時、麦入りご飯、ラーメン、三段お節、チラシの具の残り、キムチ、ドリンクヨーグルト、お茶、ミカン。


1月3日(日) 晴
本日も晴天なり。空気乾燥す。昼前に起床。
昼は、鶏豚スープに大根、春菊、長葱を入れ、キムチ、コチュジャン、唐辛子、豚バラ白煮で韓国風の汁物をこしらえる。また、水底雑煮汁の残りに豆腐を入れ、ダブル汁物でご飯を食べる。
夜は、鍋。昆布、手羽先、大根、里芋、白菜、油揚げ、小松菜の水炊き。それに、大麦入りご飯3合を鍋で炊く。鍋物をするときには、土鍋がふさがってしまうので、ご飯を普通の鍋で炊くことになる。火の通り加減が土鍋と普通の鍋ではまったく違うので、このあたりを気にしつつ、炊く。大ざっぱに言えば、土鍋はいい加減でもなんとかなるが、鍋の場合は時計を少々見なければ炊けない。土鍋とはよくできた道具である。
ついでに火鉢に炭を入れ、できた鍋物を温めながらいただく。火鉢の熱はじんわりとしていて実に気持ちがよい。これもまたよい道具である。一酸化炭素には気を付けよう。

食:12時半、麦入りご飯の残り、キムチ汁、水底豆腐汁、黒豆、かわり栗きんとん。
食:21時、麦入りご飯、キムチ、かわり栗きんとん、揚げそばがき。


1月4日(月) 晴
夕方から強風。しかし晴れている。どうしたことか。
明日、パソコンのマザーボードなどを入れ替えるので、バックアップに努める。何も忘れていなければよいが…。
大麦入りご飯を3合炊き、飯を食う。
夕飯は、塩豚とキャベツ、タマネギ、ニンニク、ショウガを炒め、ケチャップとお好みソース味の焼きそばをつくり、最後にオムレツのように卵でくるんだもの。それに、鍋の残り汁に春菊と油揚げを加えた味噌汁でご飯。
食:14時半、大麦ご飯、キムチ、納豆、鍋の残り、ちらし寿司の具の残り。
食:20時、ご飯の残り、オムソバ、キムチ、鍋の残り味噌汁。


1月5日(火) 晴
秋葉原にN氏と行く。私のパソコンの調子が悪いのでなんとかするのだ。マザーボードを、と思ったら、いつの間にか手にしていたのはハードディスクとグラフィックカードとTVボード。おや? まあいい、これで何とかなるのなら…。
数時間後、なんともなりませんでした。N氏はすごすごと帰っていき、あとには、元のスペックを少し落とした状態のマシンがひとつ…。ふふふ。土曜日にリターンマッチだ。
食事は、昨夜テレビで見たラーメンの作り方をヒントにして朝からラーメン。そば用のかえし、練りゴマ、テンメンジャン、刻み葱、ごま油、それに、数日来の鶏・豚スープで作ったらことのほかおいしかった。
この日、今年はじめての食材購入。4人の会食のため、ラーメン麺2、焼きそば麺3、豚バラ肉薄切り300g、豆モヤシ、モヤシ、それに、シュークリーム用の生クリームを購入。普段、豚肉はブロックしか買わないのだが駅前のスーパーにはまっとうな豚肉が売っていないので、スライスで我慢する。
夕食は、N氏とS氏を合わせて4人で、本当はビールを飲みながらゆっくりと思っていたが、上記のような状態で、パニック。なんとか食べた。
水底がシュークリームとレッドキドニービーンズとひよこ豆入りトマトペンネ、私がラーメン…今度はテンメンジャンのかわりにコチュジャンと味噌にしたもの、それに、キャベツとモヤシと豚肉の焼きそば。そして、3合のご飯を食べる。S氏はひとりでビールを飲んでいた。ちょっとうらやましい。

食:9時、ラーメン。
食:20時、シュークリーム、ラーメン、焼きそば、ご飯、ジャガイモのソテー、キムチ、豆入りトマトペンネ。


1月6日(水) 薄雲の晴
今朝はすこぶる寒い。本屋などを回る。まだ、幕の内だが世の中は今日あたりから本格的に始動しているようで、町に出ると挨拶まわりの人々が多く、せわしなく感じる。
水底は、ピーナッツオイル、タマリンドペースト、コーンスターチなどを購入。
パソコンの方は、メモリを半分に減らしたら、ずいぶんと調子がよい。明日は、メモリを元に戻して動かしてみることにする。どうなることやら。
このところ油と肉の比率が、我が家にしては多かったため、昨日の夜は調子を崩してしまった。そこで、今日から元のまっとうな食生活に戻ろうと決意。
しかし、まだ、お餅も残っているし、昨日のスープも、ゆでたジャガイモも、ペンネも残っている。まずは、スープにモヤシと塩・コショウを入れていただき、餅やジャガイモ、ペンネ、冷やご飯を食べる。
夜は、麦入りのご飯を3合炊き、ほうれん草のおひたし、豆モヤシのナムル、黒白豆(レッドキドニービーンズ、ひよこ豆)と紫芋と人参のつぶつぶサラダ、そして、煮干しでだしをとり、そのまま具にした、ゴボウ、大根、カボチャ、油揚げに呉汁の素を入りの味噌汁を完成させる。豆、芋、穀類と野菜中心の食に戻ることができた。
食:12時、冷やご飯、ペンネ、ジャガイモ、モヤシの鶏スープ、餅(ヨモギ、豆)。
食:21時、麦入りご飯、味噌汁、豆モヤシのナムル、ほうれん草のおひたし、つぶつぶサラダ、納豆、キムチ。


1月7日(木) 晴
強い寒気がやってきて、突風が吹くはずだったのだが、そうでもなかった。意外と穏やかな夕暮れ。午後から打ち合わせのために六本木へ。そのまま、夕食を数名とともにする。水底は、水底妹と映画。
ご飯を3合炊き、冷や飯と合わせて食う。味噌汁は、カボチャとジャガイモと大根に呉汁の素と油揚げを加えた根菜汁。白菜を油揚げと炒めて、醤油で味付けし、とろみをつけたチャプスイをつくってみる。ちょっとゆるかった。

食:12時、麦入りご飯、味噌汁、つぶつぶサラダ、納豆、キムチ、白菜のチャプスイ。
食:18時、立ち食いそば(私)。
食:20時、居酒屋、ビール、キムチうどん、レンコンサラダ、鶏から揚げ、銀だら煮、里芋煮、タケノコ煮など(私)。
食:19時、トルコ料理屋、ピラフ、エクメック(パン)、豆のペースト、アレクサンダー大王煮など(水底)。


1日のチラシ寿司。 お節のなます。
右下がかわりきんとん。左上の伊達巻きのみ市販品。 5日のペンネ。
1月2日のラーメン。麺が見えない…。 6日のつぶつぶサラダ。紫芋がきれい。

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