リトル・タジャン・プロジェクト
リトル・タジャンの育苗場建設


鈴木敦




建設中の育苗場 種をポットに植えていく


 2003年3月、育苗場建設のためにリトル・タジャンを訪問した。
 実質的な育苗場の建設は、3月5、6日の2日間にグレッグ、ジュリオスおよび建設用地の所有者であるハシントなど村民5名が参加して行われた。事前に提案しておいた簡単な設計図をもとに、外側10×7.5m、ベッド部分(ポット置き場)3×8mとすることとなった。

 主な作業行程は、(1)建設用地の地上部刈り払い、(2)フェンスポストの設置、(3)バラ線張り、(4)ネットの設置、(5)ベッド部分のラベリングであり、これに加え播種作業として、ポットへの土壌充填、播種、ベッドへのポット設置、水やりといったところであった。この中で最も時間・労力を要した作業は、フェンスポストの設置であった。気温が約30度のなかで硬い土壌を50〜70cm掘り、重いポストを運搬・設置するのはなかなかの重労働であった。それでも6名+α(私たちも若干手伝った)の労働力で、全体の実質労働時間は、3月5日:午前中2時間、午後2時間、6日:午前中2時間、午後3時間、合計9時間であった。この他に建設準備として、フェンス・ポスト用の木材の切り出しに2時間・1名、ネットの縫合に1日・1名の労働を要したとのことであった。

 育苗場建設に要する資材については事前に打ち合わせをしておいた通り、購入は最小限にとどめ、できるだけ現地で調達することができた。フェンスポストは現地のジミリーナ、イピルイピルを利用し、ポットはバナナの育苗場から無償で調達した。

 今回の育苗場建設にかかった費用(2818ペソ)は予想以上に低く、投入労働力についても同様であった。それらに対する現地の人の感覚を聞き忘れたが、若干の労力の提供と初期費用でこのような育苗場が設置できることを現地の人が理解してくれたらと思う。今回は育苗場のベッドの1/3に、ポメロ(ザボン)を播種したポット約800個を設置した。発芽率など気になる点もあり、今後は樹種の選定、種子の採取を含め育苗場の維持・管理を追っていきたいと思う。次回はマンゴーの種子が手に入る6月に訪問する予定である。


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