チレチレ便り チリってどこ? 2
池田久子

 メインとなる昼食ですが、だいたいお皿は2回換わることになります。
 最初にサラダ。だいたいサラダは最初から味がついてなくってスライスしたトマト、千切りレタス、スライスしたアボガト、スライス玉ねぎ、きゅうりなどのうち2〜3種類お皿にのっていて、たまにシーチキンやビーツ(赤株)があって、それにレモンを絞って、オリーブオイルやマヨネーズや塩で自分で味付けするようになっています。適当に自分の好みでサラダを食べたらメインの料理が待っています。最初のころは食事内容を毎回メモしていたので1週間の食事を書いてみます。

1日目:サラダ ほうれん草のパスタ フルーツ
2日目:サラダ 貝類の煮込み 牛肉と玉ねぎ、パプリカの煮込み マッシュポテト(マッシュポテトはおそらく粉末のもの)
3日目:トマトスープ 牛肉と玉ねぎ、パプリカの煮込み ご飯(ご飯はニンニクを入れて炊いたものやサフランやカレー粉を入れて炊いたものをいつも型抜きしてお子様ランチ状態にもりつける)
4日目:セロリのアボガドあえ 魚と玉ねぎ、トマトの煮込み マッシュポテト
5日目:野菜のスープ、スパゲッティ
6日目:カスエラ(チリの伝統料理…鶏肉か牛肉などとじゃがいもにんじん、とうもろこしなどを長時間煮込んだスープ こちらの人は最初にスープだけを盛り付けて飲んでから、ジャガイモ、にんじん、肉などを細かく刻んでそこにさらにレタスの千切りやスライスしたトマトや玉ねぎを足してマヨネーズや塩・オリーブオイルで味付けしなおして食べることが多いです)
7日目:サラダ 牛肉の煮込みとご飯

 こんなかんじです。肉は牛と鳥が多いけど、魚介類も食べます。味はちょうどいいのですが、私は辛いものが好きなので大抵「アヒ」といって唐辛子の液状の、そうタバスコ。あれをいつものように使っていますが。しかし家族はさらに塩や油をバンバン使うのでりんご型肥満になっています。野菜は基本は玉ねぎ、トマト、にんじん、じゃがいも、レタス、アボガド、これがだいたい中心です。そして欠かせないのはレモン。そしてパンを食べるときのトッピングとしてハムやチーズ(モッツアレラ・ゴーダ)オリーブの実、たまにレバーペーストとかアボガドとにんにくをつぶしたものなんかをパンに塗って食べます。
 日本にいるときは和食党であまりパンを食べなかった私ですが、朝パン、夜パンでも飽きないほど、なんででしょうねえ、ここではパンがおいしく感じます。層があるような、スコーンみたいな、でももっとバターが少ないような丸くて平たいパン、いわゆるフランスパンみたいな皮が硬くて中がしっとりしたパン、胚芽パンとかとうもろこしパンみたいにちょっと甘めで柔らかくてブレッド状の薄い食パン。だいたいこの3種類が中心で日によって違うのですが、特に丸いパンか硬いフランスパン。そのフランスパンといえば、チリの不思議な食習慣、「太るから」という理由でパンの中身をくりぬいて食べない人が多いということです。でもそういうことしている人に限って太っているというのがもっぱらの噂。それならバターを使わないとか、甘い飲み物を飲まないほうが効果あると思うんだけど、まだ言えない。だけどよくお皿にパンの中身をくりぬいたあの柔らかいおいしいところの残骸が残っています。もったいないとかいう感覚はほとんど分からないかんじ。
 では、飲み物について。昼ご飯の時は大抵ジュース。このジュースは、水を汲んで(ミネラル水が終わってしまって最近水道水を使っている。ほんとは体に良くないらしいんだけど。)粉末または液体のジュースの素を入れるんです。最初はちょっとなんとなく驚きました。紅茶やコーヒーは食後か朝や晩のパンを食べるときに飲みます。昼ご飯の後にはフルーツやアイスクリームなどのデザートが薦められます。私はあまり食べないけど。
 ワインで有名なチリですが、残念ながらウィークデーで飲んだことは一度もないです。土曜や日曜の昼食に赤ワインを少々。小さなコップ1杯くらいだけ。
 ほかの飲み物で、いまだにちょっと悲しいのは牛乳。ロングライフ牛乳ばかりで、牛乳とは名ばかりの白い液体ってかんじです。ノンホモの低温殺菌牛乳は田舎にいけないと飲めないのでしょうか。
 外で食事するときや人の家に招かれたときの飲み物はお酒類かコーラ、スプライト、ファンタ。外で買うフルーツのジュースはたまに甘すぎて喉がひりひりしそうなのもあるのでジュースは要注意と思います。

 まあ、こんなかんじで話し出すときりがない食事ネタ。まだまだあれも、これも話したいことはつきないのが実情。
 ところで私、こちらにきてからまともな食事が昼ご飯だけになったおかげで少し体重が落ち、ズボンがゆるくなりました。なんとなく、3度ちゃんと食事をしないといけないような、例えばご飯とおかず、味噌汁を作って食べていないと自分が駄目な人間のような強迫観念があったんだなあ、そして食べ過ぎ、飲みすぎだったなあとこっちにきてから気づきました。今は朝晩は軽い食事だけれど風邪もひかず元気にすごしています。
 ただここのママの食事が幸い口にあっていたんだけど、2週間後から住む家ではどんな食生活が待っているのかちょっと不安。仕事や住環境ももちろんだけど食事ってほんと毎日の生活のなかで、一番大きいかもしれないところ。おいしいもの、珍しい食べ物、おいしいお酒のことをお知らせしていけることを望んでおります。ではまた。

8月12日 日曜日 チリ アントファガスタにて

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