=========================================================== 〜〜〜〜 ちれぢれ草 〜〜〜〜 2巻 「食事編2」 2001.11.22 =========================================================== 「 ちれぢれ草」は、チリ共和国に青年海外協力隊の村落開発普及員として 赴任しているわたくしが、日本から17000キロ離れた任国チリを少しでも知 っていただきたく、日々雑感を徒然なるままに綴ってお送りさせて頂きます。 ご不要の方はお手数ですがご連絡ください。 送信者:池田久子 ──────────────────────────────── 食事編2 日本は晩秋ですが、こちらは晩春。暖かい日はいつも外のテラスで食事です。 庭はバラやシャクヤクが満開、小鳥はさえずり、飼い犬は私の足元で昼寝をし、 テーブルの上では私の大好きなお料理のお皿がゆげをたてています・・・。 この充足感! ということで今回は私のお薦めチレ家庭料理を紹介致します。 ★No,1==豆の煮込み== こちらではガルバンソ豆、レンテハ豆(ヒラマメ)、インゲン豆、この3種類が一般 的です。このお豆料理は柔らかくほんのり甘く、まるでお粥をすすっているような 幸せな気分になります。前日の夜に塩ひとつまみ入れてぬるま湯に浸し、翌日 洗ってから弱火でことこと炊くだけだそうです。豆は豆だけで炊き、ニンジン、 カボチャ、セロリなどは別のおなべで炊きます。ここにサラミのように塩味が強く 歯ごたえのあるソーセージの輪切りが少し入ると、この塩味と豆の甘味、肉の 硬さと豆の柔らかさがお皿の上で絶妙のコンビネーションを生むのです。 翌日はこの豆の煮込みをミキサーですりつぶしてポタージュスープになります。 これがまた最高! ★No.2==カスエラ== 骨付き肉(牛・子羊・豚・鳥)とじゃがいも、にんじん、とうもろこし、かぼちゃな ど大きく切った野菜との煮込みスープ。チレの伝統料理でいわゆるポトフのよ うなスープです。レストランでも定番メニューですが、特に子羊の肉が私は好き。 こちらの水は硬水でそのせいもあるのか肉の煮込みは本当においしいです。 ここに全粒麦「モテ」が加わると、押し麦みたいなプツプツした触感がさらに 食事を楽しくします。調味料は塩とオレガノやタイムのハーブ、最後にコリア ンダー(香草)のみじん切りをのせるのをお忘れなく。 ★No.3==パントゥルーカス== ホウトウもしくはスイトンのようなかんじ。骨付き肉でダシをとり、にんじん、セロ リなどをみじんに切った野菜スープの中に小麦粉と卵で練ったウドンのタネの ようなものを小さく丸め手でひらたくつぶしぽとぽとと落として煮こんだスープ。 チレの団子汁ってかんじで胃にも優しい味です。 ★No.4==マリスコス== 貝類のことをマリスコスと言います。貝類だけのダシのスープに唐辛子、コリア ンダー、レモンなどでつくったタレ(アヒ)を入れるとタイ料理のトムヤムクンの ようです。また、生の魚・貝類、ウニが手に入ったら、すばやくレモンを絞って、 コリアンダーと玉ねぎのみじん切り(塩と砂糖でもんでから水で洗い流す)を 混ぜて食べます。これは是非日本でも試してみたい癖になる味です。 ★No.5==エンパナーダ== これもチレの伝統料理。玉ねぎとひき肉を炒めたものにオリーブの実1個、 ゆで卵ひとかけ、干しブドウを入れ、パイのような生地でくるんで焼く、もしくは 揚げるミートパイのような肉まんのようなもの。店によって味が全然違うけど、 今まで一番おいしかったのはなんといっても我が家のものですね。香辛料には クミンと液体状の唐辛子を少々。 まだまだ紹介したい食材や料理がいっぱいですが、またの機会に・・・。 「手がかかるからもう何年も作ってないワ」とマリア小母さんの言う料理も まだあるので、夏に向かうこれからがますます楽しみなところです。 |