酸素サポート


肺水腫などで呼吸困難を起こしているねずみには、酸素補給で酸素のサポートをしてあげるとラクになることが多いようです。
(下記の方法はあくまでも個人のサポートレベルです。正規の医療行為ではありませんので、必ずかかりつけの動物病院の先生とご相談の上、お試しください。)
■缶入り圧縮酸素
■簡易酸素室…Vol.1Vol.2
■応急酸素ドーム

缶入り圧縮酸素
缶入りの携帯酸素は、薬局やスポーツ店で売られている。
価格はだいたい800円〜で、薬局では湿布やアイシングスプレーなどの棚に置いてあることが多いようだ。
基本的に、登山などのスポーツ時に自分で吸入するタイプのつくりになっているので、ふたがカバーになり、カバーをつけかえて吸入する形になる。
ねずみ用に使うには、少し改良が必要。
噴射する「シュー」という音と風にびっくりするねずみも多いようなので、プラケースなどに吹き込んでからねずみを入れるとよいようだ。
薬局でもあまり頻繁に売れる商品ではないらしく、店頭に数本しか置いていないところが多い。
また、小さな薬局では扱いがないところもある。
使うときはひと晩で数本、といったレベルで消費するようなので、常に扱っている店を近所に確保し、注文して取り寄せられるか、また、どのくらいかかるかも確認しておきたい。

■サンソクン(圧縮酸素)
ピップフジモト株式会社(\800・購入:薬局トモズ)
オカモトサンソクン
全体 裏面表示(1) 裏面表示(2) 裏面表示(3) カバーをつけて噴射
オカモトサンソクン
吹き出し口 カバーの穴
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■フレッシュO2(携帯用缶入り濃縮酸素)
中栄物産株式会社(\1,500・購入アートマン)
全体 裏面表示(1) 裏面表示(2) 裏面表示(3) 裏面表示(4)
カバー部 穴から指を入れて押す カバーをはずした
吹き出し口
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■携帯酸素ACTIVE-MAX
ピップフジモト株式会社(\750・購入:丘の上薬局)
全体 裏面表示(1) 裏面表示(2) 裏面表示(3) カバーをつけて噴射
吹き出し口
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他に、上記のような携帯酸素として「ニチバン携帯酸素No.5L」「携帯酸素サンリッチ」「アシックス携帯酸素5L」「アシックス携帯酸素10L」などがある。
また、医療用の本格的機材をレンタルすることもできます。
「日本酸素」「携帯用酸素ボンベ」「Espoir」の各種商品など。


簡易酸素室
■簡易酸素室Vol.1

動物病院の先生が電話で「小さなプラケースに目張りをして酸素室を作ってあげるとよいですよ」とアドバイスしてくれたので作ってみたもの。

■材料・設置

 ・小さめのプラケース…1個(ふたはとりはずす)
 ・プラスチック板…1枚(今回はファイルの表紙を使用)

作り方/
プラ板をプラケースの上部と同じ大きさに切り、扉も切り出す。(図)
周囲をきっちりビニールテープで貼り付け、扉は内側・外側から小さく切ったテープでぶら下げるようにとめる。


プラ板(扉付き) プラケース 完成品 設置図 正面から
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■使用・問題点
今回は、緊急時にねずみを取り出して入れておく酸素室ではなく、水槽内に設置して、つらい時だけ逃げ込めるような避難酸素室にしてみた。
その方が日常のストレスが少ないだろうし、まだ常に酸素室に入れておくほどの状態ではなく、呼吸が苦しいときにサポートする程度だったのでこの方がよかろうと思ってのこと。
幸いむぎはこの酸素室を気に入ってくれたようで、苦しそうなときに酸素を吹き込んでおくと自ら入ってくれる。
酸素は、扉部分を開けて中に吹き込む。この程度のサイズのプラケースであれば、4秒も噴射すれば十分酸素が充満するそうだ。
初めのうちは驚いていた「シュー」の音も、これをかぐと少しラクになる、と学習したせいか、慣れてくれたようだ。
扉は、内側・外側の両方から開閉できるようにしたが、巣材を中に持ち込まれたり入り口に積まれたりするとひっかかって機能しなくなるので、通常は上げてしまい、テープで止めてある。
密閉度が低いのは、常設の避難施設なので仕方がない。こまめに酸素補給をしてやるしかない。
問題点として、ビニールテープでふたをしてしまうため、内部が汚れたときに掃除が面倒だということがある。これはテープをはがして洗い、貼り直している。
また、とろや、ちょっと元気になったときのむぎは、このハウスの天井にのぼって糞尿をする。
「平らで足場の良いところでしがち」なスナネズミの習性上、これも仕方がない。こまめにそうじするのがよい。
また、酸素室は60cm水槽のせまい方の辺に設置してあるのだが、横に幅5cm・奥行き10cmほどの隙間ができる。
この隙間はねずみ心をくすぐるもので、とろもむぎもここに足繁く出入りし、そのおかげで酸素室が移動してしまったり、酸素室プラケの足がかじられてしまったりする。
これは、この隙間にぴったりのテレックス芯をはめこんでしまうことで解決した。(2002.8.17)


IN OUT
(そうはうまくいかない)
入ってます 出ますか? 出ました
酸素を吹き込む お顔は入れて置いた
方がいいよ。
巣材を運び込んで
寝床にする。
のぼってます
角かじり防止の
つめもの
地道に障害物を
破壊するとろ
やられて…
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■簡易酸素室・Vol.2

プラケ製の酸素室には、出入り口の穴から酸素スプレー缶で酸素を吹いて入れていた。
この時の「シュー」という音が、ねずみ的には一大事。せっかく部屋を酸素で満たしても、驚いて「なにごとか」と出てきてしまう。
そこで、DIYショップに出かけていって、アクリル製の箱を買い求め、隅に穴を空けてもらった。この穴に外からチューブを差し込み、外部からそっと酸素を補給しようというわけである。
本当は、そうじがしやすいようにこうしたかったのだが、すでに箱になっているアクリルボックスに大きい穴を切るのは難しいらしい(割れやすい)ので、チューブ穴だけ空けてもらい、出入り口側はプラ板(またファイルの表紙を切った)でふさいで丸く出入り口を切った
底があるので、そうじの時にはビニールテープをはがして洗わねばならない。
この新しい酸素室を今までのミニプラケ製のととりかえて設置し、中に少し牧草を入れてやると、むぎととろはすぐに中を探索し、寝床にしてくれたようだ。
出入り口を大きく空けすぎてしまったので酸素がそこから結構逃げていってしまうが、まあ仕方ない。
今までのように直接酸素を吹き込むよりはねずみは落ち着くようになったが、それでもまだ、水槽外でのシュー音も多少気になるようで、吹くたびにふたりは飛び起きている。チューブから酸素が出てくるのが気になるのかな?(2002.8.27)



丈夫なアクリル製 前面はアクリル板と
プラ板でふさぐ
サイズ 穴からチューブを通す 外から酸素補給
やはりのぼる とろものぼる ふたりでねむる くつろぐ ひっくりかえる
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応急酸素ドーム
ねずみの呼吸が苦しくなったときに応急にサポートしてあげられる応急の酸素ドームの作り方をMikaさんに教わった。
(Mikaさん、アイデアご提供ありがとうございました!)

概要はこうである。


【簡易酸素補給器】
《塩化ビニールシートのドームによる酸素補給器》
簡単に言えば「酸素マスクをハムの上からすっぽりかぶせる」という発想です。
まだケージレストをする段階ではないけれど、呼吸が苦しく時折発作の出ていた故エマ(ジャンガリアン・メス・心臓肥大からくる呼吸困難)に考えた方法です。

材料:¥100ショップなどで売っている塩化ビニール製の書類持ち運び用ファイル(A4程度のもの)のジッパーなど余分な部分ははさみで切り取って除き、透明の塩ビ部分だけを使います。これについては、代わりに使えそうなものがあればべつに材料にはこだわりはありません。

作り方:
1)長方形のそれを円錐の形(メガホンのような形)に丸め、円錐の底辺部分が床についた時に安定するように床にあわせて丸みをつけて切ります。これで円柱の底のない円錐型ドームが出来ます。
あわせた部分はセロハンテープなどをつかって張りあわせます。
2)円錐のトップの部分を切り、酸素補給用チューブを差し込んで使えるように穴をあけます。
そこからチューブを差し込んで内部に入れて、内部にたるんでいる部分はドームの内側を何周か巡らせてからセロハンテープでドームの内側に固定します。
3)円錐の内部にくるチューブの部分は2〜3ヵ所切り込みを入れて何箇所からか酸素が放出されるしくみにして、ドーム内に出来るだけ万遍なく酸素が回るようにしました。

これをハムが居る場所にハムごと覆って使用しました。
この方法は、エマは巣箱を使っていなかったため(ティッシュにかるく埋もれている程度)うまく機能しましたが、巣箱に篭るようだと出来ないかもしれません。 緊急の際に、とりあえず、という場合に使いました。
これによってエマはすこし呼吸が楽になって、落ちついて眠ることが出来ていたようです。

注意点:密封状態ではなく、酸素の濃度が濃くなりすぎないように適度にすき間を故意に開けています。
酸素濃度は計る方法がありませんので、全くの見当なのですが。

【携帯酸素ボンベの工夫】
酸素ボンベから直接酸素を送ると、チューブを経ていても吹き出し音が結構します。その音にわりと神経質に反応していましたので、工夫が必要でした。
携帯酸素ボンベの酸素吹きだし口は筒状になっていますので、これにあう直経のチューブを東急ハンズで購入しました。(※下記チューブについて参照)
ボンベの酸素吹きだし口から、補給のための酸素吸入口までの間にあたるチューブの一箇所を切断します。
切断された二つのチューブの間に、ビニール袋を挟んだ状態にして、ここに酸素を一旦ボンベから送って溜め、そこに溜めた酸素を今度は酸素吹き出し口の方のチューブに送るという方法です。
ビニール袋の両端は、それぞれのチューブを差して、酸素が漏れないように輪ゴムできっちり止めます。
故エマはその度に驚いてしまいましたので、この2段階で酸素を順次送る方法は効果的でした。

※チューブについて
チューブは、塩化ビニール製のもので東急ハンズで購入しました。メーターいくらという単位で売っているので、使用する予定の長さで切り売りしてもらいます。
DIYショップになら置いていると思います。

【使用の頻度】
呼吸が苦しそうな発作が出ているときに使い、状態が落ちついてきたら止める、と言う方法で状態を見ながら亡くなるまでの数日間使用しました。
苦しそうな時は10分〜15分置きに、ビニールがいっぱいに膨れる量を2回程。あとは様子を見ながら調節していました。
状態が落ちついてきたら使用をやめていました。
状態の良くない発作の時は、断続的に一晩中使ってましたが、一晩で6本〜7本のボンベを使いました。それでも少し回数を間引いてましたので、不安な状態でした。
携帯酸素ボンベによる方法は、大変にコストがかかりますので緊急時のものと考えるほうがいいかもしれません。例えば、夜遅く呼吸が苦しそうになった場合、次の日の朝まで病院へ連れていくことが難しい、などの場合です。
また、あくまでも素人の考えた方法ですので、治療や健康維持の器具ではありません。
故エマの場合は、普段から発作などが十分に予想されましたので、獣医さんと相談の上で使っていました。

これを参考に、私も作ってみた。

■材料
プラスチックドーム じょうご ビニールチューブ ビニール袋 洗濯バサミ
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材料の中の「プラスチックドーム」は、材料を求めてDIY売り場をうろついていて見つけたもの。\480。
ちょうど良さそうなので利用することにした。大きさはこの程度。元気なねずみを入れると、しばらくして暴れて逃げ出す
ビニールチューブは、酸素ボンベの吹き口に合わせて購入。写真のものは、直径6mm・内径4mmのもの。1m¥40のを、2m購入した。
じょうごは、酸素スプレーの吹き出しカバーが開いているのでこれに合わせて取り付けるために買った。\120。
ビニール袋、洗濯バサミは、チューブの間に袋をはさむ形式のもののために購入。
ひとまず使わない。(後日、こちらもご紹介する。)

■作り方

(1)ドームの頭頂に、ビニールチューブが通る程度の穴を穿つ。
彫刻刀を使うとうまくいく。

(2)ビニールチューブを通してみて、いい具合にらせんが描けるぐらいの長さに印をつける。
この印の先に、等間隔で穴を開ける。

(3)このチューブを、穴が開いている部分だけドームに通してらせんに貼り付ける。
穴あきが外に出ないように注意。

(4)チューブの先にろうとを取り付ける。ビニールテープで、空気漏れがないようにきっちり巻く。

(5)完成。じょうごの口から酸素を吹き込む。ドームの内部に、酸素が出てくるはずである。
ためしにちびはにかぶせてみたら、敷き材を掘って逃げていった。
元気なねずみには必要のないものである。(2002.8.22)


穴をあける チューブを通す ハサミで穴を開ける こんな具合
らせんに貼り付け できました じょうごを取り付ける きっちりと
第一完成図 このように酸素が
出ている(はず)
ちびはに使用(逃げる)
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