うまいものみせびらかし
008
99.12.



パダン
パダン料理とは何か。スマトラ島パダン地方の名物料理で、インドネシアのあちこちに小店を構える「パダン料理店」のゴハンである。パダンに住むミナンカバウ人という人々は母系社会を形成していて、財産は代々娘に受け継がれていく。男性は自らがんばって働いて財を成さねばならないので、インドネシア各地に出張っていって店を開き、パダン料理が広まったと言われている。
パダン料理店は、見かけからしてすぐわかる。入り口にショウウィンドウがあり、カレー皿くらいの皿が互い違いに高く積んである。皿には揚げ物・煮物・炒め物など、様々な種類のおかずが種類別に盛ってあり、目移りする。最下段には洗面器がいくつかあり、カレーソースや唐辛子ペーストが入っている。
インドネシアのガイドブックにはパダン料理に関して「小皿に盛られた様々な種類のおかずがテーブルいっぱいに置かれ、客は手を着けた料理の分だけお金を払うシステム」といまだに書かれているが、今時そんな店はほとんど見ない。少なくとも、バリやロンボクのパダン料理店では、入り口で山と積まれたオカズの中から自分が食べたいものを店員に告げ、ゴハンにそれを盛り合わせてもらって食べるというシステムが一般的だ。ナシチャンの豪華版、と言った感じ。料金も明朗会計となっており、懐具合に合わせて内容を調整できるので、旅人ももっと利用していい食堂だと思う。
ベースとなる「ナシ(ゴハン)」には、デフォルトで「サユル(野菜の和えものor炒めもの)」、「チャベ(唐辛子ペースト)」、「ソース(カレーソース)」が含まれており、宅配ピザの「ピザ台&チーズ」のようなもの。これだけで十分1食になる。全てのオカズを盛り合わせた後にかけてくれる、「ソース」。このソースに、店の味の全てが詰まっていると言っても過言ではない。ソースがうまい店は、おかずにもハズレがない。ココナツミルクが入ったカレー汁なのだが、ある店は塩気が強く、ある店は魚系のダシが強く、ほんとに個性的だ。
私が気に入っているソースの店は、ウブド・ハノマン通りを下ってモンキーフォレスト通り方面に曲がったすぐのところにある「シンパン・ティゴ」だ。
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