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2003.5.28(WED)


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2003.5.26(MON)
5・6回と視聴。相変わらず小動物の扱いに変わりがないのが残念です。

「しるこ爆弾」のエピソードをほぼ原作通りに作ったようで、ゆっくり噴出するしるこのCG画像には思わず吹き出してしまいました。
しかしチョビにもかかるのは気の毒…やけどするでしょう、普通。動物病院なんだから、「教授にごちそうしてもらえなくなった」「そうじしなきゃ」の前に、まず動物がやけどをしてないか見てやってほしかったです。

二階堂氏とねずみの話。それにしても管理の杜撰な大学ですね。そんなにしょっちゅう動物が逃げ出していて、保菌動物だったら問題です。
そもそも、「逃げた動物が野生化している」「学生がペットの犬猫を連れてくる」ような大学でネズミが逃げ出したら、格好のえじきになってしまうはずです。二階堂氏の「ネズミ、ギャーッ!」シーンを見せたいばっかりに、ねずみたちがいいように小道具に使われています。
そういえば、原作では「ラットをつかんでゆざぶりをかけ、「ゲー」と気持ち悪くなって口を開けたところに薬をピャーッと流し入れる」という流れだったのが、ただ保定して飲ませる、になってましたね。投薬方法の指導が現在は変わっているのか、見た目がかわいそうだからか、単純に役者ができないからなのか、謎です。
二階堂がスナネズミの顔に薬をぴゃっとかけてしまうシーンもありませんでしたね。でも、つかんだまま倒れるのはやめてほしい…。スナネズミ、足をパーにして硬直してました。ぎゅうぎゅうに保定されて、かわいそうに。それにしても生徒も先生も、保定がへたくそですね。所詮「実験動物」だからでしょうか。獣医さんでも上手な人は少ないですが、少なくともハムテルや二階堂が獣医になっても我が家のねずみは絶対に連れて行きたくないです。

菱沼さんのスナネズミの扱いはほんとに雑ですね。ポケットに入れて持ち歩く、カゴをふせてスナネズミを入れておく、お菓子を入れておく。
獣医学部なんだから水槽もケージもフードもいくらでもあるだろうに、あの不自然さは何なのでしょうか。その後逃がす設定だから仕方なく使ったのでしょうが、杜撰で見ていられません。漫画の中ではさりげなく使われているシーンですが、きっちり背景や小道具が写り込んでしまうテレビのセットではすごく違和感を感じます。だいたい、あんなカゴはスナネズミの歯牙の前にはひとたまりもないはず…力も思いの外強いですから、すぐひっくり返してしまいます。

ネズミの話ではないですが、西根家に泥棒が入るかも…という話でタカおばあさんが「もし相手が攻撃してきたら、チョビに噛みつかせなさい!」とハムテルに命じました。
チョビは怖がってテーブルの下に逃げ込んでおり、「番犬」としては役に立たないことがわかった、っという流れですが、やっぱり日本では(特にお年寄りには)飼い犬は番犬という意識なんでしょうね。だから外飼いが中心なんだろうと思いますが、ペットを「家族」としてでなく、「道具」として扱ってしまう意識が浮き彫りにされています。
番組内での説明は期待できなくても、「動物を大切な家族として扱う意識」というものをもっと持ってもらいたいと思います。噛まれた人間だけでなく、噛んでしまった犬も傷つくんです。
「番犬にするから吠える犬がいい」とショップに買いに来る人、まだまだ多いそうです。いつも吠えているのは、ストレス意外の何ものでもないのに。

第6話には、スナネズミはほとんど出てきませんでした。こんな時でないと落ち着いて観られないのが残念です。
しかし、相変わらずスナネズミは多頭飼いですね。「スナネズミは複数で飼うものである」なんてことは、全然ないんです。むしろ、多頭飼いはかなり神経を使いますし、初心者には危険です。ストレスによる体調不良、けんかによるけが、オスメス同時飼育による無計画な繁殖。
ねずみ同士がくっついて寝たり毛づくろいしあったりする様子は本当にかわいらしいものですが、相性が合わないと殺し合いのけんかになります。一日中様子を見ていてあげられないハムテルに、そこまで管理ができているかどか、はなはだ疑問です。
第1話で「また増えたのか」と無神経なセリフが使われていましたが、相変わらず別飼いはされていません。そんな意識で彼が獣医師になろうとしているのであれば、そんな医者には絶対にうちのねずみは診せたくないものです。

明かりが消えるとともに「カサカサカサ」とうるさくなるねずみの騒音に眠れないハムテル。ねずみ飼いにしてみれば、ねずみたちがものをかじること、夜の方が活発に活動することなどは当たり前ですし、あの程度の「カサカサ」なぞ日常のBGMとして気にならないものです。回し車を使え騒音はあんなものでは済みません。ゴォーッ!ゴォーッ!の繰り返しです。ハムテル、修行が足りないです。
本来部屋が余るほどあるはずの西根家、なぜわざわざスナネズミを枕元に置いて眠るのでしょうか?ねずみ専用にひと部屋締め切って、水槽の周りに大きめのケージをかぶせ(原作ではミケ対策にそうしていますね)保護してしまえばいいことなのに。ケージをかぶせてしまえば中身のネズミが見えにくくなるので、番組的に水槽丸出しにしているとすれば、本当に都合ばかりで無神経だと思います。
そもそも、猫や犬にとってネズミは「獲物」。猫や犬が自由にうろうろしている家の中でネズミを無防備に飼うのは配慮が足らな過ぎます。もしとても頑強に水槽にふたをしてあるとしても、「自分を食べる可能性のあるもの、そのにおい」がガラス水槽のすぐ向こうでうろうろしていたら、それは小さな彼らにとって大きなストレスです。私たち人間だって、窓の外に大怪獣がうろうろしていて、しかも自分に興味を持っていたら、平常心ではいられないでしょう。
番組を観て、「うちにも猫ちゃんいるけど、大丈夫よね」「たくさんいるからかわいい!何匹も飼おう」「ネズミは増えちゃうのは仕方ないよね」と思う人が一人でも少ないように…と願います。

それから、番組内に出てくるスナネズミたちですが、見慣れない方にはわかりにくいもおかもしれませんが、明らかに毛並みが悪いです。足や眼、しっぽにけがをしている子もいます。明らかに、栄養バランスの悪い食事、ストレス、けんかなどによるものだと思います。
これが、人間の役者だったらどうでしょう?眼帯をしていたり、骨折して腕をつっていたり、足にやけどのあとがあったり。そのまま画面に出てきたら「おや?」と思うし、けがが治るまで出さないか、ごまかしますよね?ねずみなら、そんなことはどうでもよいのでしょうか?
犬や猫と比べ、ネズミのような小さい動物はトリミングやシャンプー、トリートマントなどの美容でごまかしが効きづらい動物です。健康でストレスのない生活をしていれば、毛づやはきれいでしっぽも太い、「きれいでかわいい」ねずみになるはずです。
番組に出演しているスナネズミたちは、「フレンドリーアニマルプロダクション」という動物プロダクションで飼われている子らだとか。大事な「役者さん」、どのように扱っているのでしょうか。「動物のプロ」ならば、役者さんのルックスのためにも健康や環境に気を配ってくれているはずなのですが。

それから、H大の動物病院ですが、私は個人的にはすごくねずみを連れて行きたくない環境だと思います。漆原教授のいいかげんさ以前に、待合室での飼い主たちのマナーが悪すぎます。親ばかなのは仕方ないことかもしれませんが、あんなに動物たちを勝手にちょろちょろさせておくのは危険です。事故が起きます。
犬、猫など「襲う側」の動物を飼っている人にはわかってもらいづらいですが、待合室で彼らがケージをのぞきこむのはねずみなどの小動物にとってとても恐ろしいことなのです。うちのかかりつけの動物病院の壁には「犬にはリードをつけて短く持って、猫はかならずケージに入れてください。小動物もかならずプラケースやケージに入れて連れてきてください」と注意書きが貼ってありますが、かなりの大型犬でもうろうろさせている人が多いのには腹が立ちます。
「うちの子は大丈夫、おとなしいから」「ねずみを襲ったりしない」などの自信からそうさせているのかもしれませんが、何もしなくても(されては困ります)のぞきこまれるだけで「襲われる側」の動物にとってはストレスなのです。すでに移動だけでかなり参っているねずみに、これ以上ストレスを与えたくないのに…病気の時ならなおさらです。本来なら、小動物だけの待合室があればいいのでしょうが、せめて飼い主同士が最低限のマナーは守ってほしいものです。
犬・猫・フェレットを飼っている人は、想像してください。大きな虎やライオンがのっそり待合室に入ってきて、うろうろしている。自分のペットはおびえてしっぽを丸めているのに、トラはふんふんとにおいを嗅ぎに来る。飼い主は雑談に夢中でさせたい放題。注意すると「うちの子はおとなしいから」と悪気なし…やでしょ?

2003.5.9(FRI)
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第4回目の放映です。動物を飼っている者には観るのがせつない番組になってきちゃいましたね。「だったら観なきゃいいじゃん」と言われそうですが、番組側に「みているよ。きちんとみているからね」と伝えることができるよう、これからもチェックしつつ、番組に要望を出していきたいと思います。
さて、今回。どうしても二階堂氏が「ぎゃーっ」と驚く様をおもしろく演出したいのでしょう、ジャンガリアンハムスターを放り投げ、落とすシーンが衝撃的でした。小動物は、本当にあんなことをしたら内臓破裂で死に至ります。細い細い骨はカンタンに折れます。人間のように簡単にはくっつきません。ショックで死んでしまったり、ゆがんでくっつき、うまくえさが食べられずに死んでしまうこともあります。
あのシーンでは、「投げる」「落とす」絵を別々に撮って繋げたのでしょう。「放り投げ落としたわけではない」と言うかもしれません。(落とすだけでもかなりの高さですが)
問題は、そういうシーンを平然と放映してしまい、それが「笑いをとる」場面だということ。これを観た視聴者の意識に「ハムスターを放り投げるシーン」を印象づけます。そのまままねするばかな視聴者なぞいるまい、と思うのでしょうが、たとえば子供が観た場合飼っているハムスターに噛まれて投げ飛ばしてしまう、ということがないと言えるででしょうか?
実際、「遊びに来ていた親戚の子が、触っていた自分のハムスターに噛まれて壁に投げつけ、殺してしまった。怒りのやりどころがない」という文章を読んだことがあります。
子供たちには(もちろん大人たちにもですが)小さな、傷つきやすい動物をそっと扱う、という意識を持ってほしいのです。
象徴的な、おもしろいシーンを簡単に演出したいがために、動物たちを犠牲にすることはやめていただきたいものです。
また、細かいことですがハムテルがスナネズミに与えていたえさはミックスフードでした。ピーナツばかり与えるのはいかがなものか、と思いますが、ミックスフードでもさほど変わりありません。
市販の小動物用フード…ショップでは大半が「ハムスター用」…のうち、棚のほとんどを占めるのが「ミックスフード」です。小さなペレット(圧縮配合飼料)やひまわりの種、かぼちゃの種、麻の味、ピーナツ、サフラワーシード、とうもろこし、雑穀類、乾燥野菜などをミックスした、「それだけ与えていれば完璧、に見えるお手軽配合飼料です。
これらは一見手軽で栄養バランスのとれたえさに見えますが、実はスナネズミにとっては(ハムスターにとっても、ですが)かなり栄養価の偏った、高カロリー食なのです。
例えれば、「ケーキバイキング」「焼き肉食べ放題」といったところ、いくらショートケーキもアップルパイもガトーショコラもモンブランもあったところで、そればかり毎日食べていたら健康を崩すことは目に見えていますよね?
ミックスフードの罠は、そこにあります。あれは、「飼い主とフードメーカーに都合のよいえさ」であって、ねずみたちの健康のためによいえさではないのです。
食い付きのいいおいしいえさばかり入れておけばねずみたちは喜んでカリカリ食べます、飼い主も「よく食べる、おいしいんだ」と喜びます。「動物は自分の体に必要なものを食べるのだから安心」と、飼育下という特殊な状況にある彼らに野生の本能を過剰に期待する人もいます。
また、「ショップで売られているねずみたちはミックスフードや種だった、ショップで使っているから大丈夫」とミックスフードを飼ってくる人も多いと思いますが、ショップの思惑は「売れればいい」ということ一点です。ことに、こどもねずみがコロコロ太っていると健康そうに見える、という理由から、わざと高カロリーのえさで太らせておくショップもあります。
その結果が、肥満や抵抗力の低による発病、腫瘍、心臓病、皮膚病などです。これらの病気は、飼い主やショップの管理不行き届きによって起こるものです。おいしいものを食べるねずみの姿を見るのは楽しいものなのでついついおやつをあげすぎてしまう人が多いですが彼らに健康で長生きしてほしいなら、内容を考えた給餌に配慮すべきです。
ドラマ内でミックスフードを与えているのは、おそらくは普段は動物プロダクションで飼われているであろうスナネズミたちがペレットを食べつけていないので「喜んでえさに寄ってくるねずみたち」というおいしいシーンが撮れないからでしょう。厳密に設定通りに演出するのであれば、実験動物用ペレットを食べ慣れている実験室出身のねずみたちを使い、撮影にもペレットを使うべきです。(原作にはペレットが出てきます)

私は「ドラマは原作に忠実に!」派ではありません。また、「ドラマ内で動物虐待をするな!」と声高に言う気もありません(あからさまに虐待シーンがあれば世間が黙っていないでしょうから)。
「へー、こうなんだ」と、動物の扱いや生態について誤解を与えることや、誤った情報を流すことをやめてほしいだけです。
なかなかこういう意見は反映されないものですが、引き続き番組ににメールするなどの働きかけなどは続けていきたいと思います。
(小鳥の卵詰まりに対する処置の危険性などについては、リンクブームでペットを飼わないで!」より「マネしないで!動物のお医者さん」をご参照ください。)

2003.5.2(FRI)
第三回めの放映。危惧していたことが現実となってしまいました。とても残念です。がっかりしました。正直、くやしいです。やはり、スナネズミにお酒を飲ませるシーンは放映されてしまいましたね。
演出上と言え、高く放り上げられる場面も目を覆いました。スナネズミはけっこう高くジャンプしますが、あんなふうには飛びません。スタッフが放り上げたのでしょうね。毛並みが悪い子、けが(おそらく相性の合わない子やストレスによるけんかからのもの)をしている子なども目に付きます。
スナネズミエピソードの最後に「放映では本当のお酒は使用していません」とテロップが出ました。私も放映前にテレビ局にメールでお願いしましたし、他にも意見のメールをした方がいたのだろうと推測します。
しかし、お願いしたかったのはこのようなテロップではありません。注意喚起の姿勢が全くずれています。あれでは、所詮は「私達制作スタッフは動物虐待をしていませんよ」という、逃げ口上に過ぎません。
ラストの「ドラマのチョビは生後7か月以内の幼犬で劇中の設定とは異なります。」も、そうです。「だから、大きくなってもあの程度か、とは思わないでね。ちゃんとうちは書いてるんだから、勘違いしたらあなたのせいだよ」と取れます。邪推しすぎでしょうか。「このドラマはつくり話です」もそうです。しかし視聴者はどの程度、何をもって「つくり話」だと思うのでしょうか。
ハムテルや菱沼さんは実際には存在しない。設定も登場人物もみんなうそっぱちだ。でも、シベリアンハスキーという犬は実際に存在するし、スナネズミを飼う人もいれば、ショップに行って手に入れることもできるわけです。これらがドラマ中で受けている扱いも「つくり話」で、何も信じるな、と言うのでしょうか?みんながそう思うとでも、思っているのでしょうか?
「ハスキーは大きくなりますからマンションやアパートでは飼育は無理ですよ」
「大型犬は扱いも大変だから、軽はずみな気持ちで飼わないでください」
「ペットにお酒を飲ませてはいけません」
「実験動物とペットとしての飼い方は違います。飼い始めるときにはきちんと調べて責任を持って飼いましょう」
など、飼育のアドバイスを、なぜ書けないのでしょうか。もちろん、そもそもドラマ内で使わないでほしかったエピソードではあります。チョビにまでお酒を飲ませて、今頃愛犬家からもクレームが入っているところではないでしょうか。残念ながら、回を進めるにつれ、動物についての扱いにどんどんほころびが見えてくるような気がします。
「原作に忠実にやっている」とおっしゃるかもしれませんが、以前も書いたとおり原作者の情報元は獣医学部学生や獣医から見たものであり、愛玩動物の飼育や扱いとは違います。また、時代の変化による動物愛護・アニマルライツ(動物の権利)に対する状況もずいぶん変わってきているわけです。

そして、エンディングの最後に文字だけでそっと流れるテロップでの注意より、ドラマ本編でビジュアル的に印象づけられる情報はずっとずっと強いものです。このぐらいの水槽でいいのか、お酒を飲む子がいるんだね、猫がいても気をつければ平気、増えるのが当たり前なんだ、しょうがないよね…動物もののテレビ番組は、制作側の方々が意図していなくとも、視聴者にとっては「飼い方の見本」になってしまうのです。
制作側の方々も、テレビというメディア、映像という手段が視聴者に与える影響の大きさ・強さを知らない方々ばかりではないと思います。
早急に、愛玩動物飼養管理士なり、「ペットとしての動物の飼い方、扱い方」をきちんとチェックできるスタッフが脚本や演出をチェックできる体制をつくっていただきたいと思います。

なお、下記に私がテレビ朝日に向けて送っているメールを掲載しておきました。ご参考まで。

■2003.4.17
■2003.4.30
■2003.5.1
2003.4.29(TUE)
第二回の放映が終わりました。次回はいよいよスナネズミが主役の話ですね。
予告を見ましたが、ねずみにたかられて二階堂が気絶したり、ワーキャー言うのは絵的におもしろく見せられるので、案の定使ったか…という感じです。まさか、お酒を飲ませたり水をかけて気絶したねずみの目を覚ましたり、「繁殖は年に二回」という誤った情報を流したり…するのでしょうか。不安です。
「そのマルカンの給水器は落ちやすいしテープがすぐにだめになるから、特に複数飼いだとねずみがいじるし、すぐだめになるよー」とかマニアックなことまでは言わないから、せめてテロップでねずみのことも書いてほしい、と思います。
残念ながら、現実問題として内容を今からいじるのは無理だと思うのです。三ヶ月クールとのことなので、たぶんもうかなり中盤のあたりまで撮影が進んでしまっていると思います。
だから、せめてスナネズミに関してもテロップを入れていただくとか、長いエンディングを削って「正しい動物の飼い方講座」をやるとか、今からでも間に合う改善策を考えてはもらえないものでしょうか。
日記サイトや掲示板など、あちこち番組に関する感想を見てみましたが「チョビが似てる」「小夜ちゃんが似てない」とかそういう話は盛り上がっても、やはり動物の扱いに関してはみんな無関心、というか、問題に気がつかずに流してしまっているように思います。それが怖い。危険です。
つまり、特に疑問を持たないままに、あのまま受け入れてしまっている、ということだからです。その状態で飼い始める人が出ると、あれが飼育のお手本になってしまう、ということにもなるわけです。
第一話の「まーた増えたのか」(水槽をのぞいたハムテルのセリフ)がどんなに問題発言か、ねずみのためだけでなく、ハムテルがそういう無責任な人物である、ということになるのだ、ということにもっとみんな注目してほしいと思います。
制作側に動物飼育と動物愛護の基本倫理をきちんと持ったチェッカーがいないから、どんなに原作に忠実にしようとがんばっても、テレビ的に省略してしまったり強調する場面などにボロが出でしまうのではないでしょうか。
ひとこと添えるだけで注意喚起になるであろう端書きを、気づかずに省いてしまうのです。原作の漫画にもいくつか動物の扱いについて問題はあるとは思いますが、ドラマはさらにエスカレートしてしまいます。
動物に関心がない人が動物を飼わないのは、それでいいのです。問題なのは、飼いたい人、飼い始める人がきちんと調べないこと、そのための情報が手に入りにくいこと、そして手に入りやすい目に触れやすいドラマや漫画の情報が間違っていること。
ハムテルが似てないとか小夜ちゃんがケバいとかそういうことは、正直言ってどうでもいいのです(原作に忠実な方がいい!というファンの方、ごめんなさいね)。それこそ「ドラマと漫画は違う」「このドラマはつくり話です」でいい。制作側が好きなように、視聴率が上がるように、おもしろく作っていただければいいと思います。
ただ、動物の知識についてはきちんと押さえてほしいと切に願います。実害が大きいからです。テロップで番組の最後に注意事項を入れることは大事なことですが、それ以上に、番組中で使われるシーンは、のちのち大きなイメージとして残ります。せまい水槽でたくさん飼う、どんどん増えるのがあたりまえ、えさにはピーナツ…。
「スナネズミって、ああいうふうに飼えばいいんだね」ときっちりイメージ付けてしまうのです。
テレビが社会に与える影響の大きさを、テレビ局自身、もう一度よく認識していただきたいものです。
2003.4.21(MON)
いよいよドラマが始まりました。残念ながら、やはりスナネズミに関する注意書きはドラマ内では紹介されませんでした。エンディングの最後に「ハスキー犬は飼うのが難しい犬種です」「獣医師になるには大変な努力が必要です」 「このドラマはつくり話です」 のみっつがテロップとして出ただけでした。
エンディングまでは観ない人も多いのではないかと「思います。やはり、番組のつくり、基本的な動物に対するコンセプトをきちんとしないとあちこちにほころびが出てくるのでは、と心配です。
ドラマ内でスナネズミに関してもっともがっかりしたのは、水槽をのぞいたハムテルの「まーた増えたのか」の一言。スナネズミは菌やウイルスではありありません。気が付かないうちに分裂して増えることはないです。あたりまえですが。
オスメスいっしょに入れっぱなしにすれば、当然交尾して繁殖します。いつのまにか繁殖して気が付いたら増えていた、というほどほっておいたのでしょうか?45cm水槽にあの数、というのもやっぱり配慮がされないままに放送されてしまいました。
菱沼さんがスナネズミとラットを両手にわしづかみにしてニヤニヤしながら屋外を歩いている図も意味不明です。スナがしっぽにけがをしているのは、まさか撮影中の事故なのでしょうか?
マウスがプラケごと床に落とされてぶちまけられる、というのもつらい場面です。しっぽをぶらさげてつまかえられているシーンに何の説明もありませんから、スナネズミもそのように扱ってしまう人が出ないとも限りません。ラットやマウスはしっぽが切れにくいですが、スナネズミのしっぽはひっぱると切れるか皮がむけ、骨が露出します。
重箱の隅をほじくるようで心苦しいですが、動物たちに対する関する基本的な知識を持ち、配慮してくれる専門家がきちんとスタッフとして加わっていてくれれば使われない問題シーンがほとんどだろうなあ、と残念です。
生後二年経っても子犬の大きさで出てくるチョビや、慣れない学校に連れて行かれてしかも取り違えられるミケなど、他の動物を飼っている人たちにも思うところが多いのではないか…と考えさせられる放送第一回でした。

なお、巨大掲示板サイト「2ちゃんねる」の「動物のお医者さん」に関するスレッドにこのページを紹介してくださった方がいる、と友人が教えてくれました。少しでも多くの方にスナネズミに関心を持っていただける機会を作っていただけたことを感謝します。






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